拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

梅雨明けに思い出した声

あなたへ

 

もうすぐ、梅雨明けするみたいだよ

あと2、3日かな

 

え?もうですか?今年は早いですね

 

これは、私が昨年まで勤めていた職場での雑談です。

 

他県の事務所に所属する彼からの入電があるのは、月に数回。

彼とは一度もお会いしたことはありませんでしたが、

業務連絡を通して、

いつの頃からか、僅かな雑談をするようになりました。

 

今日は寒いね

 

こっちでは桜が咲き始めたよ

 

今日は、凄い雨だよ

そっちはどう?

 

同じ空を見上げながら、互いに、別な天気を見ていたり、

とてもよく似た空気を感じていたり。

離れた地で活躍する彼との雑談をする僅かな時間は、

なんだかとても不思議で、楽しかった時間でした。

 

思えば、

彼とのこんな雑談をするようになってからの毎年の梅雨明けのお知らせは、

テレビからでも、インターネットからでもなく、

彼から届いていたように思います。

 

あの場所では、

嫌なことも、悔しいこともたくさんあったけれど、

こうして振り返ってみると、

とても素敵な時間も、ちゃんとありました。

 

あの会社を去った私には、

もう、彼からの梅雨明けのお知らせは聞こえません。

 

体に気を付けて、今日も頑張りましょうね

 

こんな私の言葉を、毎度、嬉しそうに受け取ってくれていた彼は、

元気にしているかな。

 

今日の私が、懐かしい声を、ふと思い出したのは、

こちらでの梅雨明け宣言があったからでした。

今年の梅雨明けは、異例の早さだそうです。

 

今日のこちらでは、とても夏らしい空が見えました。

今年もまた、あなたと出会った季節が巡って来ましたよ。

 

 

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目に見えないもの

あなたへ

 

あなたを見送ってからの私にとっての時間は、

あなたの本当の居場所を知るために、

目には見えないあなたの姿を懸命に、

追いかけてきたような時間でもあったように感じています。

 

何処を探してみても、

この瞳に明確に映ることのなくなったあなたの姿を必死に探す私に、

此処にいるよとでも伝えてくれているかのような不思議な出来事を集めては、

あなたはきっと、何処かにいるのだとその証拠を集め続けて来ました。

 

目には見えないそちら側の存在についての考え方は、人それぞれ。

 

人は亡くなっても、私たちのすぐ側にいてくれるのだと、

こんな考え方の方もいれば、

この世界に生きている間だけがその存在であり、

此処からいなくなれば、その存在自体が消えてしまう。

人は死んだら無になるのだと、こんな考え方を持つ方もいます。

 

人の死後に対する捉え方は様々で、

明確な答えに辿り着くことのないままに、

これまでの道のりを歩んで来ましたが、

この世界にも、明確な形を捉えることの出来ないものがあることに、

ふと、気が付いたのです。

 

それは、人の心。

心が何処にあるかなど、誰も明確に捉えることが出来ないままに、

私たちは初めから、目には映らないものを信じていたことに気が付きました。

 

愛してるという言葉を耳で感じることや、

その気持ちを示す態度を視覚で捉えること。

 

目には映らないままに、突然、ふわりと温かさに包まれるような感覚や、

そっと涙を拭ってくれたような感覚。

 

実は、それらは全く同じ類のものなのではないかと、

こんな視点に気が付いたのです。

 

私たちは、目には見えないものを信じて生きながら、

目には見えないものを否定しているという矛盾に気が付かないままに、

この世界を知っているように錯覚していただけなのかも知れません。

 

人の心を肯定することは、

今のあなたの存在を、

肯定することと全く同じことなのだと言えるのではないのでしょうか。

 

こんな視点で見てみれば、私は、明確な証拠なんてなくたって、

初めから信じていたのだと思いました。

あなたの存在までもが、

消えてなくなってしまったわけではないことを。

 

 

 

宝物だけが詰まった1日

あなたへ

 

あの子も私も、とても疲れていたのかも知れません。

思いっきり寝坊をしてしまったのは、先日の私たちです。

 

時計を確認して、2人で驚きながらも、

寝坊しちゃったね

なんて、あの子と笑った後は、

2人でコーヒーを飲みながら、お喋りに花を咲かせました。

 

先日の話題は、将来の夢について。

どれだけ話をしても、あの子とのお喋りは尽きることがなくて、

とっくに日が暮れていることに気が付いたのは、

時計の針が、どの数字を差した頃だっただろう。

 

今日は何もしていないうちに、1日が終わってしまったねと、

あの日の終わりには、こんな話をしましたが、

その日を振り返れば、あの子と2人で、たくさん笑ったことだけが残りました。

 

寝坊をしてしまったにも関わらず、時間を取り戻そうともせずに、

コーヒーを飲みながら、ただお喋りに花を咲かせる。

 

たまには、こんな日があっても良いのかも知れません。

 

寝坊をしてしまったお陰で、いつもよりも短い1日でしたが、

今、こうして振り返ってみると、あの日は、

私にとっての、宝物だけが詰まった素敵な1日だったなって、

そんなふうに感じています。

 

あと何回、あの子とこんな時間を過ごすことが出来るのだろう。

 

あの子との楽しかった時間を振り返れば、

時々の私は、こんなことを考えてしまいますが、

あの子が自立するということは、

あの子が夢を叶えた時でもあるのだと、こんな視点を持つことが出来ました。

 

夢を叶えた先でのあの子はきっと、また新たな夢や目標を持って、

力強く前へと歩んで行くのでしょう。

 

そんなあの子を遠くから応援する未来には、

今の私が知らない幸せな気持ちが待っていてくれるのかも知れないと、

こんなふうに考えられるようになった私は、

ほんの少しだけ、成長することが出来たでしょうか。

 

 

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