あなたへ
あなたとは、たくさん喧嘩をしましたね。
私は、一番側にいる人へこそ、一番気を使わなければという考え。
あなたは、一番側にいる人だからこそ、気を使いたくないという考え。
喧嘩して、言いたくない本音まで口に出ちゃって、
傷付けたくないし、傷付きたくない私と、
喧嘩して、怒って出た本音を知りたがったあなた。
私達は、真逆の考え方でしたね。
私は、喧嘩をする度に、愛情が減ってしまうような、
いやな感覚が嫌いだった。
でもあなたは、
喧嘩が出来て、嬉しいって言っていましたね。
あなたが居なくなってしまった今になって、ようやく分かったことがあります。
何かに迷った時、あなたなら、どうするか。
あなたに話しかけても、もう答えてはくれないけれど、
なぜか、あなたの声が聞こえてくるような気がします。
あなたとたくさんぶつかり合ったからこその、
結果なのだと思います。
こうして振り返ってみれば、
あなたとたくさん喧嘩が出来てよかった。
喧嘩をしないように、お互い、いい意味で譲り合っていくのか、
気を使わず、何でもぶつかり合うのか。
どちらが正しい考え方なのかで、言い合った事、覚えていますか?
多分、どちらも正解だと思うけれど、
私達にとっては、あなたの考え方が正解だったのだと思います。
私の負けです。
何度もぶつかり合って、その度に本音で話して、仲直りして。
何度も、何度も繰り返しながら、
私達は、いつの間にか、家族になっていたのですね。
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