拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

10月10日

あなたへ

 

今日は、朝から晴天で、

綺麗な空が見える1日でした。

 

空に浮かぶ雲を眺めながら、ふと、

20年以上前のこの日に、

結婚した先輩のことを思い出していました。

 

あれは、まだ、あなたと出会う前の頃のこと。

 

この辺りの方との結婚が決まり、他県から来たその女性と、

少しの間、一緒に仕事をしていたことがありました。

 

体育の日は、晴れの日が多いって知ってる?

だからね、

結婚は、10月10日に決めたの

 

とても幸せそうに、こんな話を聞かせてくれたのでした。

 

祝日だから、絶対に忘れないしね って、

そんなふうに笑っていました。

 

ずっと、この辺りで暮らしてきた私にとって、

他県出身の方との出会いは、とても貴重なものでした。

 

聞いたこともない方言や、イントネーション、

その土地に住んでいなければ分からないようなことをはじめ、

短い間に、随分と、たくさんのことを教えて頂いたのでした。

 

職場を去り、それ以来、お会いする機会はありませんでしたが、

きっと、何処かで、

元気にしていらっしゃるのでしょう。

 

これは、あなたと出会う前の、私の小さな思い出。

 

晴れた空を眺めながら、ふと思い出した昔の記憶は、

もしも、あなたが側にいてくれたのなら、

今頃、あなたに話して聞かせていたのでしょう。

 

今日、思い出したんだけれど、あなたと出会う前にね って。

 

体育の日が10月10日ではなくなったのは、

私たちが出会ってからのことでしたね。

 

知ってる?体育の日が変わるんだよ

 

あの頃のあなたは、

確か、そんなふうに、話をしてくれたのでした。

 

そうそう。

来年からは、体育の日が、スポーツの日に変わるらしいですよ。

 

あなたを見送ってから、

この辺りの景色も、世の中も、少しずつ、変化をしています。

 

私があなたと再会出来る頃には、

どれだけのものが変わり、

どのくらい、あの頃と変わらないものを探せるのでしょうか。