拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

ピンク色の次の景色

あなたへ

 

昨日の私は、初夏を思わせるような心地の良い風を感じながら、

あなたと一緒に歩いてみたかった桜の木が並ぶ土手の上へ散歩に出掛けました。

 

少し前までピンク色一色に染まっていたあの場所は、

新緑色へと景色を変えて、すっかりと夏を迎える準備が整ったようです。

 

色が変われば雰囲気も様変わり。

昨日は、とても良い天気であったにも関わらず、

景色にカメラを向ける人も見当たらなければ、

歩く人の姿も疎らで、とても静かな場所へと変わっていました。

 

ピンク色に染まっていたあの場所が、

次に私に見せてくれたのは、とても静かで穏やかな景色でした。

 

静けさを楽しみながら、昨日の私が見つけたのは、

キラキラと光る川の水面を、ゆっくりと座って楽しめる場所。

 

キラキラと光るその様子は、いつまで見ていても飽きることはなく、

何も考えずにただ川面を眺める時間は、

なんだかとても贅沢であるようにも感じました。

たまには、こんな時間の楽しみ方も、悪くはありません。

 

あなたと歩きたかったあの場所が、

ピンク色一色に染まる景色もとても素敵でしたが、

静けさを纏う雰囲気も、また別な魅力を感じました。

 

あの場所には、

まだまだ素敵な楽しみ方が隠れているのかも知れませんね。

 

この人生の中で、私はあといくつ、

あの場所での素敵なものを見つけることが出来るでしょうか。

 

 

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コトバ -春- 2022

春の風を覚えていますか

春の色を覚えていますか

春の匂いを覚えていますか

 

その髪を揺らす爽やかな空気を

その瞳に映る鮮やかさを

鼻を擽る甘い香りを

覚えていますか

 

一緒に過ごした5番目の春

 

玄関に並んだ小さな靴

庭先に転がった緑色のボール

見つけたものを指差す小さな手

 

あなたの後ろをついて歩く

小さな足音を覚えていますか

 

その足元に纏わりつく

小さなあの子を抱き上げて

語りかけるその声は

世界でいちばん優しい声でした

 

あなたのその柔らかな声も表情も

私は今でもよく覚えています

 

あなたが笑うからあの子が笑う

あの子が笑うからあなたが笑う

 

楽しそうな2人の笑い声に耳を澄ませては

ずっとこんな毎日が続きますようにと願ったあの頃の私は

あなたに何を伝えることが出来たでしょうか

 

 

 

 

入学式

あなたへ

 

研究生として、あの子が入学式を迎えたのは、先日のことでした。

 

こちら側の現状の観点から、保護者はオンラインでの参加となりましたが、

画面の向こう側、

入学式に臨むあの子の姿を見守った時間は、

その成長を感じることが出来た時間でした。

 

名前を呼ばれると立ち上がり、

堂々とした一礼を見せたあの子に姿は、あなたにも見せてあげたかった姿。

 

画面越しにあの子の姿を見守りながら、

またひとつ、大切な宝物を集めることが出来ました。

 

先月、一旦、卒業という節目を迎えた直後から、

研究生として、あの子の新たなスタートが切られましたが、

今回、改めて入学式を迎えたことにより、

あの子の意欲も更に深まったように思います。

 

学習内容は更に難しさを増し、時には小さな弱音を吐きながらも、

あの子はその歩みを止めることはありません。

 

日々、全力で前進しようとするあの子の姿は、

本当に逞しく、少し前よりも随分と大きく成長したようにも感じられます。

 

今年はあの子にとって、大きな勝負の年です。

 

1年後のあの子の瞳には、

どんな景色が映っているのでしょうか。

 

そこにある景色を眺めているあの子は、

どんな顔で笑っているのだろう。

 

あの子の最高の笑顔を楽しみに、

あなたの分まで、しっかりと、あの子の成長を見守っていきますね。

 

 

 

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