拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

年越し蕎麦

あなたへ

 

なんで大晦日には、蕎麦を食べるんだろうね

 

これは、先日の大晦日に、

蕎麦を食べていた時のあの子の言葉です。

 

うん、そうだね

なんでだろうね

本当にね・・・

 

大晦日の日に、蕎麦を食べることに対して、

なんの疑問も持ったことがなかった私は、

あの子の疑問に、何も答えることが出来ないままに、

言葉に詰まってしまいました。

 

この日には、この食べ物を。

 

物心がついた頃から、教えられて来たことを、

あの子にも教えながらも、私は、その意味を知らないままに、

これまでを生きて来てしまったようです。

 

三が日が過ぎ、日常へと戻りつつある時間の流れを感じながら、

この休み中の出来事を振り返り、

ふと、思い出したあの子の疑問。

 

なんとなく調べてみた大晦日に蕎麦を食べる理由には、

いくつもの説があることを知りました。

 

蕎麦は、細く長く伸びることから、寿命を延ばし、

家運を伸ばしたいという願いが込められているという説。

 

他にも、

蕎麦は切れやすいということから、

1年の苦労や厄災を、さっぱり切り捨てようと食べるという説や、

 昔、金銀細工師が、飛び散った金銀の粉を集める時に、そば粉を使ったことから、

金を集めるという縁起で食べるようになったという説があるようです。

 

ちなみに、

江戸時代頃から、大晦日に蕎麦が食べられるようになったとされているそうですが、

江戸時代の頃は、

数え年で、年齢を数えていたため、

1月1日に全員が1歳年を取っていたことから、

年取り蕎麦などと呼ばれていたようです。

私たちに馴染みのある、年越し蕎麦と呼ばれるようになったのは、

明治時代になってからだそうですよ。

 

大晦日には、毎年、蕎麦をお供えしながら、

蕎麦が好きだったあなたを思い出していた私でしたが、

これからは、大晦日に蕎麦を食べる意味も、思い出していくのでしょう。

 

調べてみれば、なんでも教えてくれるインターネットの世界ですが、

あなたなら、あの子の疑問に、どんな言葉を返したのだろう。

 

物知りなあなただもの。

きっと、思わず、聞き入ってしまうような面白い話を聞かせてくれたのでしょう。

 

私ね、年越し蕎麦について調べてみたの

ねぇ、あなたは知ってた?

 

なんて聞くことが出来たとしたのなら、

 

全部、知ってたよ

じゃぁ、こんな話は知ってる?

 

そんなあなたの声が聞こえてきそうです。