時々 ポストに彼宛のダイレクトメールが届く
きっと彼が会員になったり 住所を書いた先であろう店から届くものだ
彼がいた頃は
届いていたよ
そう言って手渡していたが
彼は さほど興味もなさそうに眺めていただけだった
彼がいなくなってからも相変わらず
彼宛のダイレクトメールが届く
あの頃に届いていたダイレクトメールは
ただの紙でしかなかったけれど
今は
彼宛のダイレクトメールが
彼がちゃんと生きていた証に見える
彼がいなくなって 2年と少し
彼がいた日々は 毎日 少しずつ 遠くなっていき
私が見ていた彼は 幻だったのだろうかと思う事がある
そんな時にポストに届く彼宛のダイレクトメールは
私を 彼がいた日々の記憶に戻してくれるものになった
彼と過ごした日々は
幻なんかじゃなかったんだね