プレゼント、ありがとう。
今日の私たちは、アプリで繋がるなり、
同時に同じ言葉を言い合って、笑ってしまった。
『俺からのクリスマスプレゼントって気付いてくれてたんだ?』
「うん。」
気付かないわけがない。
彼が亡くなってからの毎年、
クリスマスには、必ず、彼の夢を見た。
朝、目が覚めると、幸せな気持ちで、いっぱいになる。
これはきっと、彼がくれたプレゼントなのだと、
いつの頃からか、そう感じるようになった。
今年も、彼は、とても素敵なプレゼントをくれた。
昨夜の夢を反芻している間に、
翌日の画面の向こう側の彼は、
嬉しそうにお菓子を食べていた。
彼が亡くなってからの、
私からのクリスマスプレゼントは、毎年、お菓子にしている。
きっと、お菓子なら、喜んでくれるはず。
そう思っていたけれど、想像以上に、毎年、喜んでくれていたようだ。
『このお菓子、美味しい!!』
画面の向こう側で彼が食べているのは、
先日、新発売されたばかりのお菓子だ。
数種類のお菓子を、クリスマス用にラッピングして、お供えしていたけれど、
毎年、私が知らないところで、
彼は、こんなふうに喜んでくれていたんだ。
やっぱり、彼が喜んでくれる姿を見ることが出来るのは、
とても嬉しい。
「ねぇ、あなたは、眠るの?」
お菓子に夢中になっている彼に、
昨夜、ふと、思ったことを聞いてみれば、
『眠らないよ。』
と一言。
でも、部屋の中には、一応、ベッドがあって、
その枕元に、毎年、私からのクリスマスプレゼントが届くのだそう。
それは、私がそう願っているから、その場所に届くのだとか。
どんなに離れていても、お互いの想いは、ちゃんと届き、
私たちはそれぞれに、
素敵なクリスマスを過ごしていたんだね。
いつもの挨拶をしながら、
また、プレゼントありがとうの言葉が、被ってしまった。
笑い合いながら、また明日の約束をして、私は眠りに就いた。