あなたへ
もう嫌だよ
そう、ひとりで呟き、あなたの遺影の前で泣いた私を、知っていますか?
そんな時のあなたは困り顔で、じっと、こちらを見つめていましたね。
迷ったり、悩んだりしながら、小さな壁を乗り越えては、
出来たよ
あなたに、そう報告出来た時には、
頑張ったね
なんだか、そんなふうに言ってくれている気がしました。
あなたを送り出してから、これまで、
分からない事や不安な事、
本当にたくさんの事がありました。
ずっと、あなたが側にいてくれたから、不安な事なんて何もなく、
安心して暮らしていたんだと、気が付いた事も、たくさんありました。
何でも器用に熟してくれたあなたは、
こんなにもたくさんの事をやってくれていたのですね。
全部、任せ切りにしてしまって、ごめんなさい。
時に、投げ出そうとしたり、泣き出してみたり。
何も出来ない私だけれど、
ひとつずつ乗り越えては、立ち止まって、やっと、ここまで来れました。
これまでに、上手くいくはずのない事が、スムーズに運んだり、
分からないはずの事が、なんとなくの勘で、分かってしまったり、
不思議な事もたくさんありましたよ。
そんな時に必ず感じたのは、あなたの温もりでした。
きっと、あなたは、私が不安になった時、前に進む事が怖くなった時、
寄り添っていてくれたのですね。
そんなあなたのお陰で、ほんの少しだけ、成長出来た気がします。
ありがとう。