あなたへ
こちらでは、桜の花が、満開に咲きました。
昨日は、1日中、雨でしたが、あの子と出掛けながら、
桜の花を眺め、あなたを想いました。
この時期、仕事が忙しかったあなたとは、
一度も、ゆっくりと桜を見た事がありませんでしたね。
ちょっと、寂しかったけれど、
あの頃の私は、
あなたと一緒に桜の花を見る事は、
未来への楽しみに取っておこうと思っていました。
いつか、お互いに年を重ねて、おじいちゃんとおばあちゃんになったら、
手を繋いで、春の暖かさを感じながら、ゆっくり、ゆっくりと、
あなたと散歩しようって。
お互いに、丸くなって、
振り返る過去もたくさんあって、
一緒にいた分だけ、2人で振り返る共通の思い出がたくさんあって。
きっと、思い出話は、尽きる事がなく、
長い桜並木を歩きながら、あなたと2人、
どんな話をするだろうって。
人生というのは、なかなか思い通りにはいきませんね。
いつか、私がおばあちゃんになって、
暖かな春には、
桜の花を見ながら、空を見上げ、
やっぱり、私は、あなたを想うのでしょう。
その頃には、今よりも、もっと、あなたに話したい事がたくさんあって、
きっと、いつまでも、空を見上げるのでしょう。
あなたに逢いたい
きっと、おばあちゃんになっても、
今の私と変わらずに、あなたを想うのでしょう。