彼はいつでも
突然に逢いに来る
それが当たり前かのように
笑ったり
話したり
手を繋いだり
そして私も
当たり前に彼に笑いかけるんだ
さっきの時間の続きみたいに
そこは夢の中
目が覚めると
目覚めてしまったことに
少しだけ後悔しながら
彼との時間を思い出す
彼の言葉
彼の仕草
ひとつひとつ
彼が彼のままであることを確認して
あれは間違いなく彼だったと納得してから
体を起こして窓を開ける
きっとまた
突然に逢いに来てくれるのだろう
それが当たり前かのように
さっきの続きみたいに
彼は側にいて
笑いかけてくれるんだ
眠りに落ちる前に彼を想う
今度逢えたら
何を話そうか
今度逢えたら
何処に行こうか
彼は遥か遠く
もうこの手は届かないけれど
でもひとつだけ
彼に逢える場所があるとするなら
夢の中
そこは
私がいるこちら側と
彼がいるあちら側を結ぶ
唯一の場所なのかも知れないね