あなたへ
あの子は、大事な日を迎えると、
必ず、あなたに長い間、手を合わせ、最後に、
「お願いします」
そう声を掛けて出掛けます。
なんだか、神様にお願いをしているかのように見えるあの子の姿に、
お父さんは、神様みたいだね
なんて声を掛けると、あの子は言いました。
お父さんは、ある意味、俺たちの神様でしょ って。
あの子の言葉に納得しながら、
私が、あなたを初めて、
そんなふうに思った日のことを考えていました。
あれは、あなたを見送り、間も無くのこと。
本当に辛い出来事があった日のことでした。
泣きながら、あなたを見つめた私を、
不思議な力で元気にしてくれたあなた。
きっと、どの神様よりも、ご利益のある神様。
あの時、私は、
あなたのことを、そんなふうに感じたのでした。
あの子も、私も、口には出さないまま、
あなたのことを同じように考えるようになったのは、
それだけ、あなたが、
力強く、守ってくれている証拠なのかも知れませんね。
目には見えない力。
確かに、私たちの側に、そんなものがあるのかも知れません。
何事にも動じることなく、大胆で、本番に強かったあなた。
あの子の勝負事がある日には、
あなたは、勇気をくれる神様に。
いつでも、元気をくれたあなた。
私の元気がない日には、
あなたは、元気をくれる神様に。
色々な神様に変身しては、
私たちを守ってくれる、あなたのことを想像していました。
今年は、武道の大会が多かったあの子。
大会の度に、あなたに届く、あの子の、
「お願いします」の声に、
今年は、なんだか忙しいな なんて、
苦笑いをしていたでしょうか。
いつも守ってくれて、ありがとう。
さて、神様。
今月に入ってから、引いた風邪か、なかなか、良くなりません。
「風邪が早く治りますように」
なんて、こんな願いは・・・
きっと、却下されてしまうのでしょう。
治したいなら、早く寝てください
今朝、薬飲むの忘れたよね?
治す気あるの?
言葉は聞こえなくても、
ちゃんと聞こえるあなたの声。
私たちの神様は、優しくて、時々、厳しい。