拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あなたが見せてくれた悪夢

あなたへ

 

もう!なんで助けてくれないの?

 

寝起きのまま、ひとりで剥れながら、

あなたの顔をじっと見つめたのは、

悪夢にうなされながら飛び起きた先日の朝のことでした。

 

夢の中、私に向かって大きな虫が飛んできたのに、

隣にいたあなたは、助けてくれずに、

それをただ見ているだけだったの。

 

そうして私は、自分の体に止まった大きな虫を見つめて、

恐怖のあまりに、

言葉にならない叫び声を上げながら、飛び起きたのでした。

 

ここ最近の私は、強い冬眠願望に負け続き。

 

これではいけないと、

確かに、あの前日の夜、

眠る前に、私はあなたにお願いをしました。

明日の朝は頑張って起きるから、起こしてねと。

 

悪夢から醒めて、時計を確認してみると、

ここ最近の中での一番の早起き。

お陰で、あの日はとても充実した1日を過ごすことが出来ました。

 

きっと、あの日のあなたは、

私のお願いを聞いて、起こしてくれたのでしょう。

 

ほら、朝だよって、

もし出来れば、寝坊してしまった日のあの頃みたいに、

優しく起こしてほしかったけれど、

優しく起こされれば、きっと、

夢の中にいるあなたと離れたくなくて、

私は、無意識にも夢の中へと止まろうとしたのかも知れません。

 

あれはきっと、

私のことをよく知るあなただからこその作戦だったのでしょう。

 

だって、あの夢の中に止まるのか、

早起きをするのかの2択であったのなら、

私が絶対に後者を選ぶことをあなたなら知っているはずだもの。

 

あの日の朝は、

前夜にしたあなたへのお願いなど、すっかり忘れて、

八つ当たりにも近い感情を向けてしまって、ごめんなさい。

 

でも、こうして改めて、あの日の夢を思い返してみれば、

私に向かって飛んできた虫が、

アニメに出てくるような、

ほんの少しだけ可愛いらしい虫であったことはきっと、

あなたからの最大の計らい。

 

あれでも、私には十分過ぎるほどに恐ろしい姿ではありましたが、

色々とお気遣いありがとう。

それから、私のお願いを聞いてくれてありがとう。

 

でも、やっぱり、これからは、

自分でちゃんと起きることにしようと誓いを立てることにしました。

 

だから、夢の中で逢える時は、これまで通り、

素敵なあなたでいてね。

 

 

 

1ページ目はこちらより↓↓

拝啓、空の彼方のあなたへ - 拝啓、空の彼方のあなたへ