あなたへ
ねぇ、あなたは、
その最期に、どんな瞬間を思い出していましたか。
何を感じていましたか。
あなたを見送ってからの私は、
何度、こんなふうに問い掛けてきただろう。
あなたにとって、
この世界で見つけた最高の景色はどんな景色でしたか。
その人生の中で一番笑った日は、どんな色の空が見えましたか。
迷うくらいなら、やっちゃおう!って、時々大胆だったあなた。
その人生の中で、一番の挑戦は、どんな挑戦でしたか。
あなたにとっての人生とは、何でしたか。
どんなに問いかけてみても、その声は聞こえないままに、
それでも、幾つもの問いかけをしてしまうよ。
最後にその瞳に映った私は、どんな私でしたか。
最後に届いたこの声は、どんな声でしたか。
あなたは、幸せでしたか。
ねぇ、あなた。
もしも今、
話をすることが出来たのなら、
あなたはどんな話を聞かせてくれたのだろう。
あの夏から、幾つの季節を迎えても、
不意にあなたの声が聞こえるような気がして、
その声を何処かに探してしまうんだ。
あなたは今、どんな場所で、どんなふうに笑っていますか。
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