拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

咲き始めた桜を観に

あなたへ

 

今年は、桜の開花が早い見込みだそうですよ

 

こんな手紙を書いたのは、先月のことでしたね。

 

寒がりな私にとっては、この冬も十分過ぎるほどの寒さでしたが、

やはり、暖冬だったのでしょう。

今年のこちらでは、もう、桜が咲き始めましたよ。

手帳を見返してみれば、昨年よりも10日ほど早い開花でした。

 

運転中に、信号待ちをすれば、飽きずに眺めてしまうのは、

春色へと変わりゆく景色。

 

今日は、少しだけ風が冷たかったけれど、

満開を待ちきれずに、

ピンク色へと変わりつつある景色を観に、少しだけ寄り道をしました。

 

夕陽に染まるピンク色の雲も、

咲き始めた桜も、とても綺麗でしたよ。

 

あの頃、3人でよく出掛けた公園を歩きながら、

ふと、隣を歩くあなたを想像してしまいました。

 

こんなふうに冷たい風の日には、

きっとあなたは言ってくれたのでしょう。

 

手でも繋ぎますか って。

あの日と同じ笑顔で。

 

夕陽に染まる空と桜色の景色。

あなたと一緒に観たかった景色を、この胸へと焼き付けて。

 

冷たくなった指先を、そっと握り締めながら、

空を見上げ、

今日もまた、あなたを想いました。

 

 

www.emiblog8.com

 

 

 

終わりの時

あなたへ

 

俺さ、高校を卒業したら、

武道辞めようかと思っているんだけれど、

どう思う?

 

あの子が小学生の頃から、8年間続けて来た武道ですが、

高校卒業を機に武道も卒業し、

その経験を生かして、別なことに挑戦してみたいと、

こんな相談をされたのは、

高校卒業を間近に控えた頃のことでした。

 

振り返ってみれば、この8年間のあの子は、

真っ直ぐに武道に打ち込んできたわけではありませんでした。

 

時には、お稽古の辛さから、

辞めたいな

なんて言葉もありました。

 

それでも、武道を続けて来て良かったと、そう締め括られる話ばかりで、

こんなにも真剣に、

武道を辞めたいと相談されたことは、初めてのことでした。

 

あの子の話を聞きながら、

これを機会に、辞めることを選択し、

新しいことへ挑戦するのも良いのではないかと思いました。

 

やりたいことをやりなさい

 

そう背中を押すと、

あの子は、あっさりと武道卒業の道を選んだのでした。

 

それから、

高校1年生の頃に始めたアルバイトも、

先日、終わらせることを選びました。

 

俺さ、今まで、何かを始めることはあっても、

自分から何かを終わらせたことがなかったから、

これでいいのかなって考えちゃうよ

 

武道と、アルバイト。

終わらせるのか、続けるのか、

悩んでいた時期には、こんな言葉もありましたが、

両方とも、終わらせることを選んだあの子の中では、

きっと、その本当の答えは、決まっていたのでしょう。

 

18歳という年齢は、大きな節目でもあるような気がします。

 

あの子は、この大きな節目に、初めて、

自らが始めたことを、終わりにするということを選びました。

 

終わりがあれば、始まりがあります。

 

間も無く、また新たな一歩を踏み出すあの子は、

きっと、これから様々な新しいことへと挑戦していくのでしょう。

 

新たなことへと挑戦しながら、

これからのあの子は、どんな成長を見せてくれるのでしょうか。

とても、楽しみですね。

 

 

www.emiblog8.com

 

 

 

 

年を重ねる -2020-

あなたへ

 

今日、無事にまたひとつ、

年を重ねることが出来ました。

 

あなたを見送り、6回目の私の誕生日は、

青空が広がり、とても暖かで、気持ちの良い1日でした。

 

あなたよりも2つ年上になりましたよ

 

空を見上げ、小さく呟いた私の声は、

暖かな風に乗って、

あなたのところまで届いたでしょうか。

 

その年齢にならないと見えないものは、

きっと、数多く存在するのでしょう。

 

あなたが見ることが出来なかったこの年齢の景色は、

どんな景色なのだろう。

これから、私の瞳には、何が映るのでしょうか。

 

あなたを見送り、もう、早足で歩むことは出来なくなってしまったけれど、

この年齢の私も、

あなたにも伝えたい素敵なものをたくさん集めながら、

ゆっくりと歩んでいけたらいいなと思っています。

 

生きているのではなく、生かされている

 

これは、いつかのあなたの言葉です。

 

その意味を考えながら、1日1日を大切に、

あなたの分まで精一杯、生きたいと思います。

 

 

www.emiblog8.com