拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

専属運転手、終わりの時

あなたへ

 

俺は、こんな車に乗りたい

 

この冬の、

あの子の専属運転手のような日々の中の、

車内でのあの子の言葉を思い出していました。

 

あの子の用事が重なり、私の休みなど、皆無だった日々。

 

時に、面倒に感じることもあるけれど、

この時間を楽しむよと、

あの頃の私は、あなたに、そんな手紙を書きましたが、

あの、時に少しだけ面倒で、

楽しかったあの時間にも、終わりが来てしまいました。

 

先月、あの子は無事に車の運転免許を取り、

念願のマイカーを手に入れました。

あの頃のあの子が夢見ていた、憧れの車種です。

 

ほんの少し前まで聞こえて来ていた、

ここへ連れて行って欲しいというあの子の声は、

もう、聞こえません。

 

代わりに、仕事から帰った私の耳に届くのは、

今日は、ここへ行って来たよと、楽しそうに話すあの子の声。

 

そんなあの子の話に耳を傾けながら、

本当に、終わってしまったのだと、

胸の奥に、ほんの少しの寂しさを見つけました。

 

先日、初めて、あの子の車に乗せてもらいました。

 

運転席に座るあの子の姿に感じたのは、

また一歩、大人へと近付いていくあの子の成長。

 

またひとつ、あの子は、自分で出来ることが増え、

あの子の専属運転手の日々が終わった私には、

また少し、自分の時間が増えました。

 

我が子の成長とは、いつでも、

喜びの中に、ほんの少しの寂しさが、

ついて回るものなのかも知れませんね。

 

 

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