拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

コトバ -冬- 2022

冬の色を 覚えていますか

冬の音を 覚えていますか

冬の匂いを 覚えていますか

 

その瞳に映った景色

その耳で感じた季節

冬の澄んだ空気の匂いを

覚えていますか

 

一緒に過ごした

5番目の冬

 

家族3人で迎えた

初めての新しい年を

覚えていますか

 

慌ただしい毎日の中に

私たちは幾つ

あの子の成長を

見つけてきたのだろう

 

この子がこのまま

元気に成長してくれますように

 

2人で祈った5番目の冬

 

あっという間に過ぎ行く日々の中に詰まった

たくさんの笑顔を

あなたは覚えていますか

 

小さなあの子の頬を撫で

優しく笑い掛けるあなたの姿を

私は今でも よく覚えています

 

家族3人で笑い合う毎日が

ただ幸せだったあの頃の私は

あなたに何を伝えることが出来たでしょうか

 

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成人式

あなたへ

 

俺ね、成人式には、絶対に袴を着たいんだ

 

中学生だったあの子の言葉を、改めて思い出していました。

 

何色の袴が良いかな

赤も良いし、青も格好良いよね

でも、紫もいいな

 

こんなふうに、未来を夢見ていたあの頃のあの子は、

今日、その夢を叶えました。

 

朝から青空が広がり、

天気にも恵まれた中、無事に成人式を迎えることが出来ました。

 

ねぇ、あなたは想像出来ていましたか?

 

あんなに小さかったあの子が、

こんなに立派に成長した姿を見せてくれる日が来ることを。

 

もしも、此処にあなたがいてくれたのなら、

あの子の袴姿に、あなたはどんな顔で笑ったのだろう。

 

大きくなったね

最高に格好いいよ

おめでとう

 

袴姿で笑うあの子へ、

あなたと2人分のお祝いの言葉を。

 

私の言葉に、嬉しそうにしていたあの子の笑顔を、

私は一生、忘れないでしょう。

 

何処までも青く、澄んだ空を見上げて、

そっと、あなたが笑っている姿を思い浮かべてみました。

 

ねぇ、あなた。

あんなに小さかったあの子は、今日、成人式を迎えましたよ。

 

今日のあの子の晴れ姿、

あなたも何処かで見ていてくれたでしょうか。

 

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冬の強い風の日に

あなたへ

 

ここ最近のこちらでは、とても風が強い日が多いように思います。

 

朝から強い風が吹く日もあれば、

午前中は穏やかであった筈なのに、午後から突然に強風へと変わったり。

 

冬と言えば、風が強い季節でもありますが、

この冬の私がやけにそれを感じるのは、

これまでに持てずにいた穏やかな気持ちへの変化の現れでもあるのでしょうか。

 

耳が取れそう

 

不意にこんな言葉が蘇り、思わず頬が緩んでしまったのは、

強い風の中、散歩へ出掛けた先日のことでした。

 

これは、中学生だった私と友人たちとの間での掛け声のような言葉でした。

 

中学生だった私は、3年間を通して、

友人たちと3人で、登下校をしていましたが、

冬の季節になると、

冷たい風に晒されて、感覚がなくなってしまうような耳の痛みに、

そのまま、耳が取れてしまうような気がして、

強い風が吹く度に、

耳が取れそう!と騒ぎながら笑っていました。

 

不意にあの頃の記憶が蘇ったのは、

ここ最近感じる風が、

あの頃とよく似ていたからなのかも知れません。

 

もしも今、あなたと一緒に散歩へ出掛けることが出来たとしたのなら、

冷たい風に身を竦めながら、

耳が取れそう!なんて言ったら、

あなたは、どんな言葉を返してくれたのでしょうか。

 

あっ、耳、取れてるよ

ほら、あそこに落ちてる

 

あなたなら、きっとこんなふうに言いながら、笑うような気がして、

なんだか余計に可笑しくなって、

頬が緩みっ放しになってしまいました。

 

こちらでは相変わらず、マスク生活が続いていますが、

こんな時は、マスクをしていて良かったな などと考えてしまいます。

 

まだまだ寒い日が続きそうですが、

あの子も私も、変わらず、元気に過ごしています。