拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

冬の強い風の日に

あなたへ

 

ここ最近のこちらでは、とても風が強い日が多いように思います。

 

朝から強い風が吹く日もあれば、

午前中は穏やかであった筈なのに、午後から突然に強風へと変わったり。

 

冬と言えば、風が強い季節でもありますが、

この冬の私がやけにそれを感じるのは、

これまでに持てずにいた穏やかな気持ちへの変化の現れでもあるのでしょうか。

 

耳が取れそう

 

不意にこんな言葉が蘇り、思わず頬が緩んでしまったのは、

強い風の中、散歩へ出掛けた先日のことでした。

 

これは、中学生だった私と友人たちとの間での掛け声のような言葉でした。

 

中学生だった私は、3年間を通して、

友人たちと3人で、登下校をしていましたが、

冬の季節になると、

冷たい風に晒されて、感覚がなくなってしまうような耳の痛みに、

そのまま、耳が取れてしまうような気がして、

強い風が吹く度に、

耳が取れそう!と騒ぎながら笑っていました。

 

不意にあの頃の記憶が蘇ったのは、

ここ最近感じる風が、

あの頃とよく似ていたからなのかも知れません。

 

もしも今、あなたと一緒に散歩へ出掛けることが出来たとしたのなら、

冷たい風に身を竦めながら、

耳が取れそう!なんて言ったら、

あなたは、どんな言葉を返してくれたのでしょうか。

 

あっ、耳、取れてるよ

ほら、あそこに落ちてる

 

あなたなら、きっとこんなふうに言いながら、笑うような気がして、

なんだか余計に可笑しくなって、

頬が緩みっ放しになってしまいました。

 

こちらでは相変わらず、マスク生活が続いていますが、

こんな時は、マスクをしていて良かったな などと考えてしまいます。

 

まだまだ寒い日が続きそうですが、

あの子も私も、変わらず、元気に過ごしています。