あなたへ
最近のあの子は、釣りを楽しむようになりました。
釣り上手な友達から、色々と教わっているようですよ。
あなたがこちらにいた頃、何度か釣りに連れて行ってくれた事がありましたね。
あの頃のあの子はまだ幼く、
すぐに飽きて、水遊びになってしまいましたっけ。
あなたと3人、素手で、小さな魚を捕まて遊んだ事を、鮮明に覚えています。
あなたは、魚を捕まえるのが上手でしたね。
バケツに入れた魚たちを覗きながら、
「パパすごいね」って、
あなたを見るあの子の目が、キラキラ輝いていた事を思い出します。
本当に楽しかった。
あの頃は、あの子が将来、
釣りを楽しむようになるなんで、思いもしませんでしたね。
あの子は、あなたが遺してくれた釣り道具を、
きちんと手入れをして、大切に使っていますよ。
あなたに、届いているでしょうか。
あの子は、時々、
この竿は、何を釣る時に使うのだろうか と、
あなたに話しかけています。
お父さんと話ができたらな・・・なんて言いながら。
きっと、届いていますよね。