あなたへ
あなたを送り出した頃の私の髪は、
肩下、何センチくらいだったでしょうか。
あなたを見送り、もうすぐ、2年と11ヶ月。
あなたの温もりが残っている気がして、
切れずにいた私の髪は、
腰までの長さになりました。
時々、自分で髪を撫でながら、
あなたの温もりを探した私の長い髪。
気が付けば、痛んでしまったこの髪を見たら、あなたなら、なんて言うのかな。
何故だか分かりませんが、
突然に、髪を切ろうと、決意することが出来た私は、
今日、美容室へ出掛けました。
カットされていく髪を見つめながら、
ちょっとだけ、感傷的な気持ちで、
あなたが、この髪を撫でてくれた事を想いました。
カットが終わり、整った髪は、思っていたよりも、気に入りました。
帰り道は、なんだか、少し、気持ちが軽かった。
今は、あなたを送り出した頃より短く、
肩下、10センチ程になりました。
あの子がね、
その髪型いいね 若返ったよ
なんて言ってくれました。
ずっと、あの頃の髪にこだわっていた私ですが、
初めから、そこには何もなかったのかも知れませんね。
だって、目を閉じて、あなたを想えば、
いつでも、ここに、
あなたの温もりが残っている事が分かりましたから。