拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

ポストに届いたクリスマスプレゼント事件

あなたへ

 

え?え?えぇ??

 

動揺を隠せずに、ポストの前で、ひとり、「え?」を連発してしまったのは、

先日のクリスマスの日の私です。

 

集合ポストの前で激しく動揺した私は、

更に、部屋に戻ってからも動揺したまま、

ポストに届いていたそれを何度も見つめました。

 

え?なにこれ?

え?誰?誰なの??と。

 

ねぇ、あなた。

あの日のポストに、何が入っていたと思いますか?

 

クリスマス用の可愛らしいお菓子です。

 

ただお菓子だけがポストに入っていたその様子からは、

郵送をされてきたわけではないことが伺えましたが、

何度確認してみても、メッセージなどは添えられておらず、

誰からであるのか、全く分からない贈り物が届いたのです。

 

怖がったら良いのか、

素敵だなと素直に喜んだら良いのか、

どんな感情へベクトルを向けたら良いのか分からずに、

届いたプレゼントを持ったまま、

どれくらい部屋の中をウロウロとしてしまったでしょうか。

 

動揺が収まらないままに、

この人生のクリスマスの中で1番驚いたこの出来事を、

ポストに届いたクリスマスプレゼント事件と名付けて、

あの子の帰りを待つことにしたのでした。

 

へぇ、なにそれ?

そんなこともあるんだね

 

クリスマスを過ぎ、帰宅したあの子に、

早速話をしてみると、

あの子も、とても驚いた様子で私の話を聞いてくれました。

 

でもさ、

お母さんにもサンタさんが来たんだね

良かったじゃん

それ、食べなよ

 

あの日の会話は、あの子のこんな言葉で締め括られたのでした。

 

言葉というのは不思議です。

あの子の言葉は、何処へ向けたら良いのか分からなかったベクトルを、

素敵だなと素直に喜ぶ方へと向けてくれたのです。

 

ですが、

一体誰が、ポストにプレゼントを入れてくれたのでしょうか。

 

さて、私探偵事務所を立ち上げて、考察してみることにしましょう。

 

では、まず初めに、

プレゼントを見つけるまでの自分の行動をよく振り返ってみます。

 

プレゼントを見つける25日の前に、

私が最後にポストを確認したのは、24日の日中のことでした。

 

ですので、それ以降に、

このプレゼントがポストへ入れられたことになります。

 

あの子は、24日の夕方過ぎに出掛けて行きましたが、

それまでのあの子は、出かける準備に大忙し。

そして、そこからクリスマスが過ぎるまで、あの子は、遠方で過ごしました。

 

こうして改めて、私が最後にポストを確認した時から、

あの子の帰宅後までを詳細に振り返ってみると、

帰宅してから私の話を聞いてくれたあの子の言葉には、

やや不可思議な点がありました。

 

誰がくれたのかも分からない食べ物を口にすることなど、

警戒心強めの私には考え難い行為。

そして、半分は私の血を引くあの子もまた、

そんなところは私によく似ているのです。

 

にも関わらず、

ポストに届いたお菓子を食べるよう、あの子が勧めてくるのは、

なんだか不自然とも言えるでしょう。

 

これは、かつては小さなサンタクロースだったあの子からの、

サプライズではありませんか。

 

そんなわけはないと、その可能性を始めから排除していたのは、

出掛ける前に、とても忙しそうにしていたあの子の姿からでした。

 

かつては小さなサンタクロースだったあの子の名演技により、

私は、完全に騙されていたのかも知れません。

 

恐らく、24日の夕方過ぎ、

あの子が出掛ける前に、このプレゼントを、

そっとポストへ入れてくれたのでしょう。

 

嬉々として出掛けて行ったあの日のあの子の様子からは、

全く想像も出来ないことをしてくれたのだと思います。

 

あの子は、素知らぬ顔をしながらも、

ポストに届いたお菓子は食べたのかと、

あれから何度も確認してくるのです。

 

この言動も、よく考えてみれば、

とても怪しい言動であるとも言えるのかも知れません。

 

私探偵の推理は、これ以上追求することはしませんが、

恐らくこれは、名推理と呼べるものでありますでしょう。

 

謎を残したままの、

ポストに届いたクリスマスプレゼント事件。

 

これは、一生忘れられない素敵な思い出となるでしょう。

 

 

 

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