あなたへ
ここ最近の私は、とても忙しく過ごしていました。
あの子の模型作りのお手伝いです。
2年生からは、模型の授業がなくなり、
あの子の作品を見る機会もありませんでしたが、
今回、約1年振りに模型を作ることになりました。
これまで学んできたことを生かした、総仕上げのような作品です。
これまでの私は、あの子が作った作品を眺めるばかりでしたが、
今回は、とても大きな作品になるために、
手伝って欲しいとの話があったのは、数週間前のこと。
漸く下準備が整い、模型を作る段階となりました。
今回初めて、あの子の模型作りのお手伝いをしながら感じたのは、
誰かが思い描く世界を作るお手伝いというのは、
とても難しいものなのだということでした。
大まかなことは分かっていても、
あの子の頭の中にある完成を目で見ることは出来ません。
ひとつひとつを確認をしながら、出来るだけ丁寧に作業を進めてきました。
あの子が小学生の頃には、夏休みの作品を作るお手伝いをしてきましたが、
あの頃の時間は、作品作りを通して、まだ幼かったあの子へ、
色々なことを教えるような機会であったようにも思います。
間も無く成人を迎えようとしているあの子の頭の中で、
完璧に仕上がったものを作るお手伝いの時間と、あの頃の時間とでは、
全く違ったものであるように感じました。
作品に向き合う中で、時に難しさを感じながらも、
あの子の大きな成長を見つけながら、とても楽しい時間を過ごしています。
時間に追われている為、半徹夜のような状況の私たちですが、
寝不足のあまり、ハイテンションで、あの子と笑い合ったことも、
楽しい思い出の時間のひとつです。
さて、今日もこれから模型作りの続きをします。
今夜もまた、半徹夜の作業であることを覚悟しなくてはなりませんが、
この人生の中で、こんなふうに、
あの子と一緒に作品を作る機会は、もう巡って来ないような気がします。
少し寝不足ではありますが、今夜もハイテンションで、
今、ここにあるあの子との時間を、大切に過ごしたいなと思います。