拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

最後の献立表

あなたへ

 

これは、ずっとここに貼っておいてね

 

いつかのあの子の声を思い出しながら、

暫くの間、私が見つめていたのは、我が家の冷蔵庫のドア。

長きに渡り、

もはやそれが我が家の冷蔵庫のドアの色の一部であるかのように馴染んでいたのは、

あの子が中学3年生の時の、最後の月の給食の献立表です。

 

あの子が幼稚園へ上がった頃から、

給食の献立表を冷蔵庫のドアへ貼っていた我が家ですが、

あの子が中学校を卒業し、同時に給食からも卒業となって、

もう、此処に貼るものは何も無くなったのだなと、

冷蔵庫のドアから最後の献立表を取り外そうとした日に、あの子が言ったのです。

これは、ずっとここに貼っておいてねと。

 

あの日の私は、あの子の言葉に頷きながら、

あの子にとっての中学校生活が、

どれだけ楽しかったのかを計り知ることが出来たのでした。

 

漸く、長かった大掃除を終えたつもりでいましたが、

こんなところに片付け忘れていたものがあったのだと、

冷蔵庫の色の一部と化した色を取り外したのは先日のことでした。

 

あの子は、立派に此処から巣立ちました。

 

片付けても良い時が来たのだなと、

蘇った記憶の中にいるあの子を愛おしく見つめてから、

長くそこに貼ってあった献立表を取り外しました。

 

思えば、給食の献立表は、

新しいものが届く度に破棄していた我が家に残っているのは、

この1枚のみ。

 

あの頃のあの子の声を思い返してみれば、

なんだかこの1枚は、とても特別なもののような気がして、

思い出を詰め込んだ箱の中へ仕舞うことに決めました。

 

いつの日か、ずっと先の未来のあの子が、それを見つけた日に、

あの子にとっての特別な記憶が蘇りますようにと願いを込めて。

 

改めて、冷蔵庫の色を見つめてみれば、

なんだか、見慣れない景色でも見つめているような気がしてしまいますが、

これで、本当に我が家の大掃除が完了しました。

 

まだ、義務教育を終えたばかりだったあの子との何気ない日常の一コマを、

今日は、あなたにも話してみたくなりました。

 

あなたとのお別れの日のあの子は、

私と一緒に、たくさん泣いたけれど、

あの後の中学校生活は、本当に楽しんでいたよ。

 

 

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