あなたへ
この世界に生まれてきてくれて、ありがとう。
私と出会ってくれて、ありがとう。
あの子と出会わせてくれて、ありがとう。
いつも、そっと静かに寄り添ってくれていることも、
私たちを守ってくれていることも、全部ありがとう。
こうしてあなたのお誕生日に、
ありがとうの日としてパーティを開くのも、今年で10回目を迎えました。
もしも、あの夏の運命が違っていたのなら、
あなたは、この世界で10歳の年を重ねているはずでした。
こうしてあなたのお誕生日を迎える度に、
その分だけの年を重ねたあなたは、どんなあなただったのだろうかと、
見ることの出来なかったあなたの笑顔を思い描く私は、
今年もまたそんな気持ちを大切に、今日の日を過ごしました。
今日のあなたは、どんな顔をしていましたか。
もう此処に、あなたの姿を見ることは出来ないけれど、
きっと今日のあなたも、
私がよく知る笑顔でパーティに参加してくれていたと信じています。
今日は、あなたを見送ってから初めての2人きりのパーティでしたが、
あなたも楽しんでくれたでしょうか。
きっと今年もパーティに参加してくれたあなた。
今年も素敵な時間をありがとう。
P.S
ねぇ、あなた
何が食べたい?
今日はあなたのお誕生日だから、なんでも好きなものをリクエストしてね
これは、今日の私が、出掛ける前にあなたへ掛けた言葉。
私の小さな声に応えるかのように、私の中へと浮かんだのは、
あなたが好んで食べていたチョコレートのお菓子でした。
私は、パーティでのメニューについてを聞いたつもりでしたが、
きっとあなたは、余程あのお菓子が食べたかったのね。
なんだか笑ってしまうけれど、あなたからのリクエスト通り、
今年はあのお菓子も準備しましたよ。
あなたへのお誕生日プレゼントとして、お供えしておきました。
どうぞ、心ゆくまでお菓子タイムを楽しんでくださいね。