拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

クリスマスパーティ -2023-

あなたへ

 

今年のクリスマスパーティもとても楽しかったですね。

きっと今年もパーティに参加してくれたあなた。

ありがとう。

 

今日は、あの子が巣立ってから初めてのクリスマスイブです。

 

今夜の私は、

あなたと出会ってから過ごしたクリスマスイヴの日を、

順番に思い出していました。

2人で過ごしたクリスマスイブからやがて、

あの子と3人で過ごすクリスマスイブへと変わり、

あの子の成長と共に、賑やかさも増していきましたね。

 

3人分の料理と3人分の食器が並んだ食卓

クラッカーの音

カメラのシャッターの音

そして、3人分の笑い声

 

一緒に見たクリスマスパーティの景色を、あなたは覚えていますか。

 

俺、ケーキが食べたい

 

3人の中で、

一番早い段階でケーキを食べたがったのは、いつでもあなたでしたね。

 

食後のデザートではなく、食間にケーキを食べるのがあなた流。

 

あなたがケーキを食べ始める姿を見つめたあの子が、僕も!って、

いつでもあなたの真似をして。

それぞれにケーキを切り分けるのも、

美味しそうにケーキを食べる2人の姿を見るのも、毎年の私の密かな楽しみでした。

 

当たり前だった我が家のクリスマスパーティは、

あの子が成長し、

やがて自分のクリスマスイブの過ごし方を見つける日がやって来るまで、

ずっと続くのだと思っていました。

 

それなのに、私たちはあの夏を迎えて。

 

あなただけがいなくなった我が家の景色を変えてくれたのは、

12歳だったあの子でした。

 

あなたを見送り、

初めてのクリスマスイブを迎えた日のあの子がね、提案してくれたのです。

お父さんの席も準備しようよ

だって、毎年、3人でパーティしていたでしょう?って。

 

あの日のあの子は、家族3人で過ごしたクリスマスパーティが、

どんなに楽しかったのかを話して聞かせてくれたのでした。

 

後ろを向いて座り込んだままだった私が迎えた初めてのクリスマスイブの景色を、

あの子が一瞬にして変えてくれたのです。

 

いつものあなたの席へ、あなたの分の料理を準備すれば、

そこに、微笑んだあなたの姿が見えた気がして。

あの年のクリスマスパーティで見た景色も、感じた温かな気持ちも、

今でもよく覚えています。

 

あれから毎年、ひとつずつ成長したあの子はやがて、

自分のクリスマスイブの過ごし方を見つけるようになったけれど、

我が家での家族3人のクリスマスパーティも変わらずに大切にしてくれました。

 

もしもあの子が、もう少しだけ違った感性の持ち主であったのなら、

毎年のクリスマスパーティには、

胸の奥に痛みを見つける日になっていたのかも知れません。

 

あなたが何処にいても、

変わらずに家族3人で過ごしたクリスマスパーティも、

今日、此処に見た景色も、

12歳だったあの子からの贈り物なのだと思います。

 

ねぇ、あなた。

今年のパーティも、とても楽しかったですね。

 

あの子が巣立ってから初めてのクリスマスパーティは、

改めてあの子に感謝する日にもなりました。

 

12歳だったあの子がくれたこの時間を、

これからも大切に過ごしていきましょうね。

 

 

 

OFUSEで応援を送る