拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

青色

あなたへ

 

空を眺める夢を見ました。

 

何の感情もなく、

灰色の空を、ただ眺めていた私の耳元に聞こえたのは、

あなたの声でした。

 

青に染めてあげるよって。

 

そうして、私が見上げる灰色の空は、

鮮やかな青色へと変わっていきました。

 

空って、こんなに綺麗だったんだね

 

私は、その青色に見惚れて、

ずっと空を見上げていました。

 

とても、不思議な夢でした。

 

あなたを見送る前の私には、

もう、戻ることが出来ない

 

そう気が付いたのは、先日のことでした。

 

あの頃の私は、あの日、

あなたと一緒に、死んでしまった。

 

何の抵抗もせずに、それを静かに受け入れた私に、感情はなく、

ただ、静かに、

この瞳に映る景色の色が失われていくのを、眺めていました。

 

それなのに、

なんだか、笑っちゃうよ。

 

あなたが此処にいないから、

あの頃の私も、もう此処にいないのに、

あなたはまた、私に色を見せてくれた。

 

私の瞳に映るもの全ての色が失われ、

灰色の世界へと変わっていったはずなのに、

あなたは、夢の中で、

私が見ていた灰色の空を、青色に変えてくれたね。

 

青色は、あなたの色。

 

一度、色を失った私が見る景色に、

一番初めに、あなたの色が染められたのです。

 

私は、きっともう、

あの頃の私に戻ることなど、出来ないのでしょう。

 

あんなふうに笑うには、

知らなくてもいいことを、知り過ぎてしまったもの。

 

心に負った傷は、きっともう、治らない。

 

それでも、いつか、

またあんなふうに、笑ってみたいと思ってしまったよ。

 

だって、

あなたが染めてくれた青色が、とても綺麗だったから。

 

 

 今日のこちら側の空は、

夢の中で、あなたが見せてくれた空と、

とてもよく似た空でした。

 

だからね、ふと、思ってしまったのです。

いつか、あの頃の私と、よく似た私に出会うことが、

出来るのかも知れないなって。

 

あなたは、とても不思議ですね。

 

どんなに離れていても、

こうして、いつでも私を助けれくれるの。

 

どうすれば、私が前を向くのか、

ちゃんと知っているあなたにしか、出来ないやり方で、救ってくれる。

 

一度、色を失った私に、

一番初めに、あなたが見せてくれた空の色、

絶対に忘れないよ。