拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

あなたを見送ってからの私に見えるもの

あなたへ

 

先日の帰宅途中のことでした。

運転する私に見えたのは、

進行方向の数メートルほど先の歩道に立つ、マスクをした男性でした。

 

渡りたいのかな。

 

そんな気持ちから、私は、アクセルを緩めて、

いつでも停まれるようにしながら、近づいて行きましたが、

丁度、男性が立っているように見えた場所には、

誰も、立ってはいませんでした。

 

あれ?さっき、男性がここにいたはずだけれど。

 

この現象。

実は、あなたを見送ってからの私に、

時々、起こることです。

 

遠くに、人の姿が見えたり、視界の端に、人の姿が見えたり。

 

でも、人が立っていた場所へ近づいてみると、誰もいなかったり、

視界の端に映った人へと視線を移すと、誰もいなかったり。

 

何故だか、あの夏から、時々、こんなことが起こるのです。

 

今、カーブミラーに、女の人が映ってたよね?

どうしていないんだろう

 

私のこんな言葉に、あの子が怖がったのは、

あなたを見送り、初めて迎えた冬のことでした。

 

あれは、たった一度だけ、この現象を口にした日。

 

あれ以来、口に出すことはなくなりましたが、

私には、時々、同じ現象が起こりました。

 

特別な力など、何も持ち合わせてはいないはずの私。

 

きっとね、気のせいなのです。

疲れているのかも知れません。

 

あの夏から、私は、ずっと、疲れているのでしょう。

 

でも、もしも・・・

もしもです。

 

もしも、気のせいではないのなら、

私に見えているのは、

きっとね、誰かの大切な人だと思うのです。

 

だって、とても怖がりな私なのに、

これらの現象に、

一度も、怖いと感じたことは、ありませんでしたから。

 

もしかしたら、此処に遺した大切な人に逢いに行く途中の、

そちら側の人だったのかも知れませんね。

 

あなたがいるそちら側と、

私たちがいるこちら側は、

どこかで繋がっていて、

時々、境界が曖昧になるということもあるのでしょうか。

 

あなたを見送ってからの私に、時々、起こる現象を、

これまで、気のせいとして来ましたが、

何故だか、ふと、そんなことを感じました。

 

あなたを見送ってからの私は、

見ようとしなければ見えないものが、

たくさんあることに気が付きましたが、

見ようとしなければ、見えるもの、

というものもまた、存在するのかも知れませんね。