拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

大きな愛に包まれて

あなたへ

 

ねぇ、あなた。

いつもありがとう。

 

突然にこんなことを言ったら、あなたは、どんな顔で笑うのだろう。

突然どうしたの?って。

 

夜、眠る前にね、ふと思ったの。

今、こうしている瞬間にも、きっとあなたは、

私たちが安心して眠ることが出来るようにって、

そっと静かに、大きなもので包んでくれているのかも知れないなって。

 

何故、急に、こんなことを感じたのかは、よく分からないけれど、

不意に、とても幸せな気持ちで満たされた私は、

安心して眠りに就くことが出来ました。

 

それは、

あなたが、ただ、側にいてくれるだけで、

とても安心することが出来ていたあの頃の気持ちに、

とてもよく似た気持ちでした。

 

私たちが気付いていないだけで、

あなたはきっと、あの頃よりも、もっと大きなもので、

私たちを包んでくれているんでしょう?

 

とても大きなものに包まれた、あの不思議な感覚を思い出してみる。

 

暖かな毛布の中みたいな、

柔らかな光の中みたいな、

あなたのその大きな手の中にいるようにも感じたあの感覚は、

きっと、あなたからの愛なんだね。

 

ちゃんと毎日を過ごしていくことが出来るように、

ちゃんと眠ることが出来るようにって、

あなたはきっと、毎日、毎日、あんなふうに、

私たちを、そっと静かに包んでくれていたんだね。

 

そんなあなたの愛を見つけることが出来たから、

今日は、あなたに、

いつもありがとうを伝えたくて。

 

大きな愛で包んでくれて、ありがとう。

 

 

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嘘みたいなことが重なる時期

あなたへ

 

嘘でしょ?

 

思わずこんな言葉を呟いたのは、先日の私です。

 

ねぇ、あなた

今度は、ヘアアイロンが壊れましたよ

 

こんな報告をしたのなら、あなたは、どんな顔で笑うのでしょうか。

 

随分と長い間、頑張ってくれていたドライヤーが、突然に壊れたのは、

先月の終わり間近のことでしたが、今度は、ヘアアイロンが壊れました。

 

電化製品は、立て続けに壊れることがあるよね

 

いつか、こんな言葉を聞いたことがありましたが、

私は、今回、初めてこんな経験をしたように思います。

 

いつか聞いたことのある言葉の通りの現象に、

もうこれ以上、何かが壊れるのは、やめて欲しいなと願いながらも、

私は今、遠赤外線が搭載されている新しいヘアアイロンと共に、

新しい季節を過ごしています。

 

突然に、何の前触れもなく、ヘアアイロンが壊れた日は、

非常に困りましたが、

その翌日からの私は、新しいヘアアイロンを手に、

なんだか、髪がスベスベになった気がするなと、

その機能に、大変満足しながら、

スタイリングのひとときを、とても楽しんでいます。

 

ドライヤーから発せられるマイナスイオンの風に癒され、

ヘアアイロンに搭載された遠赤外線が、

スベスベに整えてくれているような気がするこの髪を、

秋の風になびかせながら、ふと、思いました。

 

新しい月は、まだ始まったばかりですが、振り返ってみれば、

今月は、なんだか、嘘みたいなことが重なるような気がするなと。

 

それは、一見して、不運にも感じるような、

困った出来事と、とても痛かった出来事でしたが、

結果、そこにもたらされたのは、幸せな気持ちでした。

 

なんだか、とても不思議ですが、今月は、

嘘みたいなことが重なる時期なのかも知れませんね。

 

今度は、どんな嘘みたいな出来事の中に、

素敵なものを見つけることが出来るのだろうかと、楽しみにしながら、

始まったばかりのこの9月を過ごしてみたいと思います。

 

 

 

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トレジャーロード

あなたへ

 

俺ね、前から憧れていたバイクがあるんだ

それをさ、

自分で組み立てて乗りたいなって思うんだけれど、どう思う?

 

あの子から、こんな相談をされたのは、夏休みが始まる前の頃のことでした。

自分でバイクを組み立てるだなんてと、あの時の私は、

とても驚いてしまいましたが、

迷うことなく、あの子の背中を押しました。

 

やりたいことは、全部やりなさい。

これは、あの子を育てる上で、

私たちがずっと、大切にしてきたことでもありましたね。

 

あれから、少しずつ、バイクのパーツを集めてきたあの子。

ひとつのパーツだけを見ても、私には、ただの鉄の塊にしか見えませんが、

あの子は、新しいパーツが揃う度に、

どんなところに使うものであるのかを教えてくれました。

 

まだ足りないパーツがたくさんあるようですが、

随分と、たくさんのものが集まりました。

1台のバイクが仕上がるまでには、随分と様々なものが必要なのだと、

興味深くあの子の話に耳を傾けながら、初めて見るパーツを眺めていた私ですが、

近頃、ちょっとだけ、困ったことがあります。

 

集めたパーツたちが、あの子の部屋に入り切れず、

廊下に侵入してきているのです。

どんどん新しいパーツが届き、そして、どんどん廊下が狭くなるのです。

 

正直な気持ちを言わせて貰えば、ちょっと・・・

いえ、本当は、とても嫌ですよ。

 

あっ、それも廊下に置いちゃう感じ?

 

新しく届いたパーツを、嬉しそうに眺めるあの子に声を掛けてみると、

 

そうだね

今、うちの廊下は、宝物の山だよね などと言いながら、

本当に嬉しそうに、笑っています。

 

そう。

あまりの汚さに・・・

いえ、宝物ばかりが溢れた状態に、私は、忘れかけていました。

今、あの子は自分の夢を叶えている途中なのです。

 

これは、

やりたいことは全部やりなさいと、

あの日の私の声が、真っ直ぐにあの子の胸へと届いた証拠ではありませんか。

 

我が家の廊下を狭めているのは、ガラクタなんかではありません。

あの子の言う通り、大切な宝物たちですよ。

ならば、我が家の廊下の呼び方を変えてみます。

 

トレジャーロード

 

さて、どうでしょうか。

ここはもう、廊下などではありません。

あの子の夢を叶えるための宝物が、たくさん詰まった道なのです。

 

昨日は、更に2つのパーツが届きました。

トレジャーロードには、新たな宝物が加わり、

また少し、廊下の面積を狭めながら、

あの子の夢へ、また一歩、近付いたのです。

 

ここにあるパーツたちが組み上がった時、

どんな素敵なバイクが完成するのでしょうか。

あの子は、どんなに嬉しい気持ちで、そのバイクを眺めるのだろう。

 

その日が来ることを楽しみに、

今は、ほんの少し通り難いトレジャーロードを、

気を付けて、歩きたいと思います。