拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2018-01-01から1年間の記事一覧

お盆の思い出

あなたへ もう、そちらへは無事に着いたでしょうか。 今年のお盆も、あなたが側にいることを感じられるような、素敵な時間を過ごすことが出来ました。 お盆初日は、朝からアルバイトだったあの子。 あなたにお線香をあげ、早々に出掛けたあの子を見送り、一…

お盆

あなたへ 明日から、お盆に入ります。今年は、何時頃にこちらに着く予定ですか? 今日から休暇に入った私は、あなたをお迎えする準備を万端に整えました。 昨年のこちらは涼しく、あなたにとって、過ごしやすい夏でしたが、今年のこちらは、とても暑いです。…

電話のきっかけ

あなたへ 先日、あなたのお母さんから、野菜が届きました。時々、こうして野菜を送ってくださること、本当に感謝しています。 野菜が届くと、いつも、あなたの実家にお礼の電話を入れますが、思えば、普段は、文字でのやり取りが主であるため、電話で話す機…

あなたの声

あなたへ ただいまおかえり あの子は寝てた?うん、さっき見てきたよ あなたと話をする夢を見ました。 とても短い夢だったけれど、あなたの声に安堵しながら、もう一度、目を閉じる夢。 あなたの温もりをすぐ側に感じられる程に、近くにあったその気配も、そ…

あなたを想う日 -2018-

あなたへ あなたのその手の温かさもその手の感触も安らかに眠る顔も 絶対に忘れない そう誓ったあの日から、今日で4年が経ちました。 丁度、4年前のあの日。息を引き取ったあなたを囲むようにして、みんな泣いていたけれど、あなただけは、微笑んでいるよう…

あの子の夏休み

あなたへ あの子が通う高校では、先日から、夏休みに入りましたが、夏季課外を選択したあの子は、数日遅れで、やっと本当の夏休みが始まりました。 友達とも話し合ったんだけど、来年の夏休みは、遊んでばかりはいられないと思うから、今年の夏休みは思いっ…

コトバ -夏の音-2018

今年もまた夏が来たよ 夏の音を聞きながら出会って2番目の夏の彼を思い出していた 地元のお祭り会社のみんなと踊るから見においでよ ほんの少し照れ臭そうに笑った彼の声 日に焼けた肌で踊る法被姿の彼にドキドキしたこと 会社の人と笑い合う私の知らない彼…

少年のような人

あなたへ 先日、急に思い立って、美容室へ行きました。 いつも私の髪のことをしてくれるのは、私の父と然程、年齢の変わらない店主で、毎回、とても楽しい話を聞かせてくれます。 先日、美容室へ行った際には、たまたま、新しいヘアアイロンが届いたところで…

目に見えない財産

あなたへ 何でも話せる家族になろう あなたが、こんなふうに言ってくれた日のことを、覚えていますか? あれは、私たちの結婚が、決まったばかりの頃のことでした。これからのことや、どんな家族になりたいか、あなたの想いを、たくさん聞かせてくれたことが…

あなたと過ごしたかった場所

あなたへ 先日、急に思い立って、ひとりで散歩に出掛けてからというもの、時々、ひとりで散歩に出掛けるようになりました。 あれは、あの子が間も無く中学校へ上がる頃のことでした。 あの子に、手が掛からなくなったら、夫婦でどんな時間を過ごすの?って、…

あなたの笑顔

あなたへ あなたの夢を見ました。 それは、あなたが、とても楽しそうに笑っている夢でした。 あなたが、あまりにも楽しそうに笑うから、つられて私も笑いながら、とても楽しい気持ちで目が覚めたのでした。 あなたの笑顔は、あの時のまま、見ているこちらま…

教えるということ

あなたへ 人に教えることって難しいよね 先日、武道のお稽古から帰って来たあの子は、近頃、武道で悩んでいることを話をしてくれました。 帯の色が変わり、後輩たちに、教える立場になったあの子。 担当しているのは、小学校低学年の子たちだそうで、あの子…

織姫と彦星

あなたへ 今夜は、ベランダに出て、空を眺めていました。 薄い雲の向こうに見える星空を見上げながら、天の川で再開した織姫と彦星と、私たちを重ね合わせていました。 もしも、今夜、私たちが、織姫と彦星になれたのなら、どんな時間を過ごすのでしょうか。…

振り返りながら生きること

あなたへ 後ろを振り返りながら堂々と生きることにします そんなふうにあなたに報告したのは、丁度、1年前のことでした。 自分なりの生き方をみつけた私は、あなたに報告できたことで、自信を持って、この1年を過ごせたように思います。 後ろを振り返りなが…

コトバ -100年後-

梅雨が明けたばかりの夏空に目を細めながらふたりが出会った夏を思い出していたよ あなたがどんなふうに笑って あなたとどんな話をしたのか 日に焼けた肌にブレスレットがよく似合っていたね 私を見つめるその瞳も私を呼ぶその声も逞しい腕も 全部大好きなあ…

ホタルがいる公園

あなたへ 昨年の丁度、今頃の時期に、あの子と一緒に、ホタルを見に行きました。 あの頃のあの子は、 また来年も、絶対に来ようね 初めて見たホタルに感動しながら、そんなふうに言ってくれたのでした。 ホタルの時期だけど、今年も見に行く? 先日、あの子…

お線香の香り

あなたへ あなたを見送り、どれくらいが経った頃からだったでしょうか。 家の中、お線香をあげたわけでもなく、あなたがいる部屋でもないのに、時々、微かなお線香の香りがすることがあります。 それは、例えば、 洗濯をしている時、晩ご飯の支度を始めよう…

あの子のヒーロー

あなたへ 先日、あの子が、社会人の先輩から、空いてる日、俺の会社でアルバイトしない?って、こんな誘いを受けました。 聞けば、あなたが頑張ってくれていた仕事と同じ職種のアルバイト。 あなたが就いていた仕事に興味を持っていたあの子は、その誘いにと…

試練

あなたへ 結婚とは、試練を乗り越えるためのものであり結婚相手は、共に試練を乗り越える相手である 先日、こんな言葉を目にしました。 あなたと家族になり、過ごした日々。思えば、一緒に、たくさんの試練を乗り越えて来ましたね。 あなたと2人だからこそ、…

菜の花の咲く公園で -2018-

あなたへ 今日、仕事がお休みだった私は、いつか、あなたとあの子と、3人で行った公園へ、散歩に出掛けました。 特に変わったものは何もないけれど、時々、近くを電車が走り、とても静かで、春には、菜の花がたくさん咲く私のお気に入りの場所。 最後に、こ…

生かされているということ

あなたへ 俺は生きているんじゃなくて、生かされているんだなって思ったよ あなたが、こんなことを言った日のことを覚えていますか。 あれは、あなたが交通事故に遭った時のことでした。 ほんの少しの言葉を話せるようになった、幼いあの子と行動を共にする…

歌うこと

あなたへ 先日、あの子がカラオケに誘ってくれました。 お母さんと最後にカラオケに行ったの、いつだった? そんなあの子からの問いに、私が最後にカラオケに行った日のことを思い出していました。 あれは、まだあなたが元気で側にいてくれた頃。あの子が中…

コトバ -手紙-

元気ですか 私たちは元気です 今日も空を眺めながらあなたを想いました 今何を見ていますか あなたは今幸せですか 何処かで笑ってくれていますように あなたに逢いたい 愛しています 在り来たりの言葉じゃ足りなくてあなたに送りたい言葉を考えていました 伝…

7年目の成長

あなたへ あの子が武道を始めてから、7年目になりました。 高校生に上がり、一般のグループに加わって、練習をするようになったあの子から、大人の先輩たちと一緒に、団体の部で大会に出ることが決まったと話してくれたのは、あの子が高校2年生に上がり、間…

迷路の中で見つけたもの

あなたへ ここ最近の私は、なんだか変でした。 ずっと、音楽が大好きだった私。あなたを見送り、自分の大好きなものを忘れてしまっていた私は、思えば、あの日から、ゆっくりと音楽を聴こうとさえ、思ったことがなかったように思います。 ちょっとしたきっか…

あの子の部屋

あなたへ あの子の部屋が少しずつ変わっていったのは、あの子が高校生活にも慣れ、暫くが経った頃からでした。 ここへ越して来たばかりの頃は、こまめな掃除で、自分の部屋をとても綺麗にしていたあの子ですが、今では、足の踏み場がなく、汚部屋状態。 洗濯…

コトバ -その温もりを、そっと届けてくれる人へ-

私が悲しくなるときっと遠くから飛んで来てその温もりをそっと私のところに届けてくれる人へ その姿が見えなくてもそっと寄り添ってくれるところはあの頃と何も変わらないね 苦しくて悲しい時泣き出しそうな私を優しく包んでくれるかのように背中に感じる温…

あの子の感性

あなたへ 小さかったあの子が、初めて写真を撮った日のことを覚えていますか。 今は、携帯電話のカメラで写真を撮ることが殆どですが、あの頃は、どこへ行く時も、デジカメを持って出掛けていましたね。 写真を撮ることに興味を持ったあの子に、初めてカメラ…

始まりの音

あなたへ 朝、起きると、あなたの目覚まし時計の音が鳴ります。 朝が苦手な私と違って、小さな音の目覚まし時計で起きることが出来たあなた。 いつも、あなたが起きていた時間。 可愛い音で、ピピピッって鳴るあなたの目覚まし時計は、アラーム設定を解除し…

今の私

あなたへ 電球の交換インパクトドライバーを使えるようになったことカーナビの取り付け名義変更引越しの手続きを全部ひとりで出来たこと電化製品を買うこと粗大ゴミの処分 プリンターのインクを間違えずに買えるようになったこと いつかあなたが教えてくれた…