あなたへ
私たちは、運命の出会いだったね。
だって、私は、あなたと出会った時に、感じたもの。
この人だ
やっと、逢えたって。
私が、こんな話をした時に、あなたは、笑っていたね。
ねぇ、あなた。
あなたは、どう感じていたのかな。
私と出会ったあの日、
あなたは、私に特別な何かを感じたのかな。
あなたを見送ってからの私は、
あの頃のことを振り返りながら、
そして時に、新たなことをみつけながら、
私なりの解釈で、
あなたと私が、運命の出会いだったと思える、
確かな証拠を拾い集めてきました。
あなたが側にいてくれた頃には、特に何も感じなかったけれど、
今、考えてみたら、不思議だなって思える出来事もありました。
きっと、あの頃は、
多くのことに気付く必要がなかったんだね。
だって、あの頃の私は、
目の前にいてくれるあなたを、
ただ、見つめていれば良かったんだもの。
きっとね、あなたと私が、運命だと思える、確かな証拠は、
私のこれからの人生の道のりにも、たくさん落ちているのよ。
あっ、あの時、そう言えば、って、不意に、何かを思い出したり、
新しい何かを発見するの。
私は、それらひとつひとつを、
ワクワクとした気持ちで拾い上げては、空を見上げて、
やっぱり、私たちは、運命だったねって、
そうあなたに、問い掛けるのでしょう。
ねぇ、あなた。
あなたを見送ってからの私には、
どうしてこんなにも、
私たちが運命だと思える証拠が、見つかるのだと思う?
それはね、きっと、あなたと出会ったあの日に感じた、
私のあの気持ちが、本物だったからよ。
なんて、こんなことを言ったら、あなたは、また笑うのかな。
私のこの生があるうちに、
あと幾つ、確かな証拠を見つけられるのだろう。
ねぇ、あなた。
こうして振り返ってみると、私たちは、やはり、
運命の出会いだったと思いませんか。