あなたへ
あれから、また前髪が伸びてしまいました。
あなたみたいに、上手に切れるように、
この2年、何度も挑戦中。
2年前よりは、上手になった気もするけれど、
やっぱり、あなたには、敵わない。
あなたの切り方を真似しているつもりなんだけどな・・・
いつも、ちょっとだけ曲がってしまう私の前髪を見たら、
あなたに、笑われてしまうでしょうか。
変だよね?
切りたての前髪に納得がいかなくて、
あなたの遺影に話しかけると、
あなたは、必ず、
何か言いたそうな、可笑しそうな顔で、こちらを見つめていますね。
あなた、本当は、笑いを堪えています?
「何?その前髪」
なんて、声が聞こえそうで、
ちょっと、悔しくて、寂しくて、
やっぱり、あなたに逢いたくなってしまう。
いつか、上手に切れた時には、
もっと、別な顔を見せてくださいね。