これは何かの罰だろうか
彼のいない毎日を 時々そんなふうに考える
罰でないとすれば 何なのだろうか
ある人が言った
それは試練だよ
彼がいない時間を生きるという試練なんだよ と
ポッカリと穴が空いた私の心
その言葉が穴から滑り落ちないよう
両手で受け止めた
試練
それは
例えば 彼の年齢を追い越した時に
何か見えるものがあるのだろうか
例えば 彼よりずっと年上になった時に
分かる事があるのだろうか
彼が見る事のなかった景色に
感動し 納得出来るものがあるのだろうか
それなら
悲しみも 苦しさも 悔しさも
全部抱えて進んでみればいい
我慢が出来ない時には
大声で泣き叫びながら進めばいいんだ
悲しみも 苦しさも 悔しさも
いつか鎧となり
剣となるのかもしれない
そして試練を乗り越えた時に 見えるものがあるのだろうか
これが試練だと言うのなら
いつか 勝った と思う日が来るのだろうか
その時には きっと
悲しみでできたはずの鎧が
苦しさと悔しさで出来たはずの剣が
別なものに変わっているのかも知れない
その時は きっと
大声で叫ぶのだろう
空の彼方
彼に向かって
私 頑張ったよ と
その時に流す涙はきっと・・・