拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

幸せな夢から覚めた日の朝

あなたへ

 

夢から覚めた私が、

大きく落胆したのは、これで何度目でしょうか。

 

意識がないままに、長い間、眠り続けていたあなたが、

突然に目を覚ました夢を見ました。

 

目を覚ましてくれたあなたと一緒に、

これからどんな景色を見ることが出来るのだろうかと、

たくさんの未来を思い描いていた夢の中の私は、

言葉で言い表すことの出来ないほどの喜びに満ちていました。

 

そうだった。

あなたは亡くなったわけじゃなくて、眠り続けていただけだったんだ。

随分、長い間、眠っていたけれど、

漸く、目を覚ましてくれたんだって。

 

この吉報にとても喜んで、駆けつけてくれたのは、あなたのお母さんでした。

あなたが元気になってくれたことが嬉しくて、

あなたのお母さんと手を取り合って喜びました。

良かったね

良かったねって。

 

これから、あなたとどんな時間を過ごそうか。

明日の私は、あなたにどんな景色をプレゼント出来るのかなって、

希望だけを胸に抱いて、

ただ、目の前にいてくれるあなたを見つめていたはずだったのに、

思い描いた明日はやって来ないままに、私は、目を覚ましました。

 

夢から覚めた私が、大きく落胆するのは、これで何度目だろうかと、

幸せな夢から覚めた日の朝は、時々、そんなことを考えてしまうけれど、

夢の中のあなたがくれた幸せな時間を大切に胸へと刻んで、

私は、またここから先へ歩んで行くよ。

 

私が生きるこの世界には、

夢の中のように、あなたと一緒に見ることが出来る景色はないけれど、

もしかしたら、夢の中のように、

あなたのお母さんと手を取り合って喜んでしまうような素敵な景色だって、

待っていてくれるのかも知れません。

 

きっとそこに見えるのは、あなたにも見せてあげたい素敵な景色。

 

本当はね、

もう少しだけ、あの夢の続きを見たかったけれど、

その続きは、またの機会を楽しみに、取っておくよ。

 

あなた、またね。

きっとまた、逢いに来てくださいね。