拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

徹夜

あなたへ

 

おはよう。あなた。

起きてる?

 

いえ、そちら側では、眠るという時間は、ないのでしょうか。

 

こちら側の今は、朝の4時前です。

こんな時間にあなたへの手紙を送るのは、

思えば、初めてのことですね。

 

え?そんな時間に、何をしているの?って、

今頃のあなたは、こんなふうに驚いているのでしょうか。

 

実は、今日のあの子には、

朝、早くから出掛けなければならない大切な用事があるのです。

 

目覚ましをセットしても起きられないあの子を起こすのは、

相変わらず、私の役目ですが、

今回は、いつもよりも、随分と早起きをしなければならないために、

なんだか緊張してしまい、

直ぐに眠りに就く自信も、絶対に起きられる自信もありませんでした。

 

それなら、いっそのこと起きていようと、

こんな考えに至りました。

 

徹夜をするだなんて、何年振りのことでしょうか。

一度、起きていようと決めてしまえば、

なんだか、ワクワクとしてしまうものです。

 

何をしようかなって、部屋の中を見渡しながら、

目についたのは、スケッチブック。

 

そうだ。

また、あなたの絵を描いてみようと思い立って、

長い夜の始まりには、あなたの絵を描いてみました。

 

あなたの顔をじっと見つめて、その特徴を捉えてみる。

そうして、真剣に手を動かしてみましたが、何故でしょうか。

あの時と同じです。

 

とても真剣に描いたつもりなのに、仕上がった絵を見てみると、

知らない人が描かれているのです。

 

何度、あなたと見比べてみても、似ているところが見つからなかったのは、

少しだけ、眠い気がするからなのでしょうか。

 

どんな角度から確認してみても、

全く知らない人であることを確認した後で、

動画を観たり、

ストレッチなんかをしながら、気が付けば、

そろそろ、あの子を起こす時間になりました。

 

好きなことを楽しむ時間というのは、どうしてこうも、

あっという間に過ぎていくのでしょうか。

静かな夜に、こんなふうに過ごす機会をくれたあの子には、感謝です。

 

さて、あの子は、ちゃんと、起きてくれるでしょうか。

 

今日のあの子が、最高の1日を過ごせますように。

あなたも見守っていてあげて下さいね。

 

 

 

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