拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

虹の絵

あなたへ

 

あの子のバイクのパーツを置く場所も確保出来たことだし。

こんな晴れやかな気持ちで、

今日の私は、ゆっくりと絵を描きました。

 

実は、先日から描いてみたいと思っていた絵がありました。

虹の絵です。

 

あなたは、首を傾げて言うのでしょうか。

え?どうして虹?って。

 

そう。忘れもしません。

私があの夢を見たのは、先日のことでした。

 

あの夢の中に出て来たのは、見知らぬ女の子。

小学2年生か、3年生くらいの子でしょうか。

 

画用紙に向かって、黙々と虹の絵を描いていたその女の子の姿を、

夢の中の私は、ただ静かに見守っていました。

とても絵が上手で、独創的な絵を描くその子は、

見たこともないような不思議な虹の絵を描いていました。

 

私ね、絵が完成したら、その絵をもらう約束をしていたの。

その絵をどこに飾ろうかって、とてもワクワクとした気持ちで、

完成を楽しみにしていたのに、

有ろうことか、私は、絵が完成する前に、目を覚ましてしまったのです。

 

とても素敵な絵だったから、あの続きが、ずっと気になっていました。

あの女の子は、あの後、何を描き足して、

どんなふうに絵を完成させたのかなって。

 

あの絵の完成を、

何度も思い描きながら、やがて私は、思い立ちました。

そうだ。今度、自分で虹の絵を描いてみよう。

 

私なりに、覚えている限り、あの絵を再現し、

そして、その続きを描いてみましたが、

真似て描いているつもりでも、実際にこうして描いてみると、

なんだか全然、違うような気がしました。

 

絵を描くのは好きですが、決して上手とは言えない私。

一生懸命に、そして楽しく描いたつもりですが、

絶対に、誰にも見られたくない絵が完成しました。

 

やっぱり、あの女の子の絵の完成が見たかったな

 

自分で描いた絵を眺めながら、

思わず、こんな言葉を呟いてしまったけれど、

静かに絵を描いた時間は、

自分自身とゆっくりと、向き合う機会にも繋がったように思います。

 

迷っていたことや、悩んでいたこと。

それに対する私なりの最良の答えは、

実は、とてもシンプルであったのかも知れないと、

ふと、そんなことに気が付くことが出来ました。

 

私が描いた絵には納得出来てはいませんが、

今日の私は、納得できる答えを見つけるための、

良い時間を過ごせたなと思いました。