拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

不思議なタイミング

あなたへ

 

やっぱり、

少しだけそっちに寄ってから帰ることにしようと思うんだけれど、

家にいる?

 

あの子からこんな連絡が入ったのは、一昨日のことでした。

明日は、あの子が、少しだけ帰って来ます。

 

用事から、この週末には、

こちらの方面へ帰って来ることが決まっていたあの子ですが、

当初の予定では、家には寄らずに帰ることになっていました。

 

うん、分かった

お盆には会えるしね

 

あの子の予定を聞きながら、こんなやり取りをしたのは、

先月のことでしたが、

突然に、予定を変えて、少しだけ家に寄ってから帰ろうかなと、

こんな連絡が入ったのです。

 

仕事もあるから、長い時間は居られないよというあの子の言葉に頷きながら、

私が感じていたのは、あなたの力でした。

 

あの子に会いたいな

あの子の笑顔が見たい

 

突然にこんな気持ちになったのは、先日のことでした。

 

あの子が巣立ち、時々には寂しさを感じながらも、

あの子があの子らしく自分の道を歩むように、

私は私の道をしっかりと生きていきたいと、

日々、自分の前を見つめて歩んで来た私ですが、

先日の私は、堪らなくあの子に会いたくなりました。

 

それはそうよね。

だって、21年間も毎日一緒にいたんだもの。

時々には、こんなふうに寂しくなるのも当たり前。

 

あの日の私は、自分の中に見つけた感情もまた、

きっと、今この瞬間にしか感じられない気持ちなのだと、

大切に感じ切ったのでした。

 

こうして、様々な感情を見つけながら、

いつしかきっと、本当の意味で、

ひとりの時間に慣れて行くものなのだろうなって。

 

一昨日のあの子の声を聞きながら、

私が真っ先に感じたのは、あなたの力。

 

ひとりで寂しがっていた私の小さな声を、

きっと直ぐ側で聞いていたあなたが、

少しだけ、お母さんに会いに行ってあげたら?って、

例えばこんなふうに、

あの子に声を掛けてくれたのかも知れないなって。

 

こんなに不思議なタイミングで、私の願いごとが叶うだなんてね。

 

ねぇ、これはあなたの力なの?

 

思わずあなたの顔を見つめてみたけれど、

あなたはただ、穏やかに微笑むだけで。

 

さて、明日が楽しみ過ぎる私は、

ちゃんと眠ることが出来るだろうかと少しだけ心配ですが、

今夜は早めに休むことにしますね。

 

 

OFUSEで応援を送る