あなたへ
今日は、2月29日。
今年は、閏年です。
今日の私は、閏年に関する思い出を振り返っていました。
4年前の閏年の私は、あの子の予定狂わせの呪文にかかり、
あの子の専属運転手となって、慌ただしく1日を過ごしていました。
あの日は、本当は、やりたいことがあったけれど、
あの子に翻弄されながらも、
とても良い1日を過ごすことが出来た日でした。
あの頃の私は、
あの子の予定狂わせの呪文にかかっては、度々翻弄されながらも、
漠然とした、あの子が巣立ついつかの未来を思い描いては、
目の前にあるあの子との時間を大切に歩んでいた頃の私。
時々には、ほんの少しだけ面倒に思えることも、
全部が今しか集めることの出来ない宝物のような時間であると感じると同時に、
漠然としたいつかの未来を思い描いては、
胸の奥に、ほんの少しだけ、寂しさを感じてもいたのでした。
もう此処に、あの子の予定狂わせの呪文は聞こえません。
こうして改めて振り返ってみれば、
あの閏年のあの子は、
あの頃の私が思っていた以上の特別な1日を私にくれたのだと感じています。
今年が閏年なら良かったのに。
そうしたら、1日多くあの子と一緒にいることが出来たのに。
こんなことを考えていたのは、昨年の2月の私でした。
あの頃の私は、
残り少ないあの子との時間を、大切に、大切に過ごしながら、
カレンダーを見つめて、2月の日数の少なさに、大きなため息をついたのでした。
2月の日数の少なさに、
真剣に恨めしい気持ちを持ったのは、この人生の中であれが初めてのことでしたが、
こうして振り返ってみれば、あの頃の時間も、
なんだか笑ってしまう良い思い出です。
もしも昨年が、閏年であったとしたのなら、
私はきっと、あの子との時間を大切に慈しむように過ごしていたのでしょう。
カレンダーは、私の思い通りではなかったけれど、
その代わりに、閏年に関する笑ってしまう思い出がひとつ残りました。
今日の私が閏年に関する思い出を振り返ることが出来たのも、
閏年という特別な年があるからこそ。
閏年という年があるから、
その年にも、そして、そうでない年にも、
特別な思い出が増えたのだと思います。
閏年ってさ、1日、得した気分だよね
これは、いつかのあなたの言葉です。
本当に、その通りですね。
あの頃のあなたの言葉は、今になってより深みを増し、
そこにどれだけのお得が詰まっているのかを実感させられています。