あなたへ
いつにしようかと考えながらも、
なかなか、その日を決められずにいましたが、
今日の私は遂に、アレを使いました。
アレ、とは即ち、母の日にあの子がくれた、２つ目の贈り物です。
あの日のあの子が、電話を切った後で私に贈ってくれたのは、
ドリンクのチケット。
あの子からの贈り物だからこそ、大切に使いたいと考えて、
メッセージ画面を開いては、チケットを見つめるばかりのままでいましたが、
思えばあれから3ヶ月が経ち、春から夏へと季節も変わりました。
ここ最近の私は、バタバタと忙しない日々を送っていましたが、
漸く一息つける時を迎え、あの子から贈られたチケットを使うのなら、
今なのかも知れないと思い立ちました。
様々な種類の中から、今日の私が選んだのは、スイカ味のドリンクです。
普段の私なら選ばない種類の味ですが、
敢えて普段とは違った味を選んでみようと考えたのは、
ドリンクの味を楽しむこの時間が、これから先も、
ずっとずっと特別な記憶で有り続けるような気がしたからでした。
大好きな夏の季節を感じられる甘さに癒されながら、
私の中にふと蘇ったのは、母の日にあの子と2人で笑った記憶。
あの日は、電話での会話でしか見つけることの出来ない良さがあるのだと、
初めてこんな視点を見つけた日でもありました。
楽しかったな
ひとり、小さく呟いて、
あの日のあの子の笑い声を思い出して。
あの日から、3ヶ月が経ち、
気が付けば、あの子との新たな思い出が増えて、
あの頃の私が知らなかった、たくさんの景色を知りました。
ここ最近は、忙しなく日々を過ごしていましたが、
今日は、あの子のお陰で、
この3ヶ月間の出来事を、ゆっくりと振り返りながら、
のんびりとした時間を過ごすことが出来ました。
母の日にあの子がくれた２つ目の贈り物も、大切な宝物として、
私の胸の中へと集まりましたよ。
