拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

我が家の記念写真

あなたへ

 

昨夜の私が眠る前に眺めていたのは、

先月のあなたのお誕生会の日に、あなたと2人で撮った記念写真です。

 

ねぇ、あなたは気付いていましたか。

クリスマスパーティやお誕生会。

あの子の入学式や卒業式。

あの子の成人式の日。

それから、

あの子の巣立ちの日。

 

あなたの生は此処になくとも、我が家の特別な日の記念写真には、

あなたの姿も、私たちと一緒に写っているのです。

 

初めてあなたの遺影と共に写真を撮ったのは、忘れもしません。

あなたと3人で過ごしたあの家からの引っ越しを、

間近に控えた頃のことでした。

 

玄関前で写真を撮ることにしたあの日。

あの子がね、

お父さんと3人で写真を撮ろう

なんて言い出したかと思えば、

あなたの遺影を抱えて玄関前へとやって来たの。

 

遺影と共に写真を撮るだなんて、

私には思いつきもしなかったあの子の発想に、

なんだかとても驚いてしまったけれど、

あの日の私たちは初めて、

ちょっとだけ変わった家族写真を撮ったのでした。

 

あの日がきっかけとなり、

特別な日に写真を撮る時には、あなたと3人で写真を撮ることが、

我が家での当たり前となっていきました。

 

この世界で、年を重ねることがなくなったあなたの側で笑うのは、

この世界で、年を重ね続ける私たち。

 

あの夏からの私たちが、前へと歩めば歩む程に、

そんな家族3人の記念写真は増え続けていきました。

 

先月のあなたのお誕生会の日も、

あの子と一緒にあなたのお誕生会をしていた頃と同じように、

あなたとの写真を撮りました。

 

思えばこうして、

あなたのお誕生日に2人で写真を撮るのは、10年振りですね。

 

10年前のあなたのお誕生会の日の私は、

あなたの膝の上に座って、笑っていましたっけ。

 

えっと・・・やっぱり、10年前に比べたら、

私だけ、アレだわね

 

なんて思わず呟いてしまったのは、昨夜の私です。

 

こうして改めて、あなたと2人で撮った写真を眺めてみると、

私だけが、この世界で年を重ね続けているのだと、

様々に思いが過ぎりますが、

こうして、我が家の中に増える家族写真を集め行けるのも、

枠に囚われない自由な発想をするあの子のお陰です。

 

きっとね、あの夏の運命が違っていたのなら、

あの子が巣立った後の私たちも、

こうして特別な日には、2人で写真を撮っていたのでしょう。

 

私たちの運命は、思い通りではなかったけれど、

こんなふうに、

我が子が巣立った後の夫婦2人だけの形も大切に残しながら、

この人生を歩んで行けたらいいなと思っています。

 

 

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