拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

コトバ  -夏の音- 2017

今年もまた夏が来たよ


今年の夏は曇り空続きで
なんだか物足りないけれど


厚い雲に覆われたこの空の向こうは
いつでも晴れているんだろうな


見上げた空にあの夏を重ね合わせ
ゆっくりと足を止めた


出会った日の事を覚えていますか?


日焼けした彼の笑顔を思い出し
目を閉じてみた


ちょっと長めの髪はサラサラで
癖のある髪の私は羨ましかった


まつ毛の長い横顔
シルバーのブレスレット
ホワイトのシャツ


あの日の彼をよく覚えている


もう一度
あの夏の彼に逢いたくなって
小さな声で名前を呼んだ


あれからのいくつもの夏は
いつも彼が側にいた


笑ったり
泣いたり
怒ったり


喧嘩して
仲直りして
また一緒に笑った


夏の音は
今年も変わらなくて


彼がいた夏によく似ている


ふと何処かに彼がいる気がして
振り返ったけれど
ここにはもう いないんだね

 


視線を戻した先に見えたのは
あの子が待つ私の家だった


歩き出した私に聞こえた足音は
やっぱり
一人分だけだった

 

 

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