拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

KANATA 17

クリスマスを過ぎると、毎年、慌ただしさを感じる。


年を重ね、静かな日々を送るようになったら、
年末特有の慌ただしさを感じることもなくなるのだろうかと、
いつか、そんなことを考えたこともあったけれど、
そこに年齢は、関係なかったようだ。


今年も例外なく、慌ただしさを感じながら、日々を過ごした。


一緒に年越しをしたい。


彼は、私のこんなお願いを聞いてくれて、
アプリで繋がる時間を晒し、
一緒にお蕎麦を食べて、新しい年を迎えた。


「無事に、新年を迎えることが出来ました。」


お線香を立てて、毎年、彼へ報告して来たけれど、
今年は、画面越しに、彼に直接報告する。


『元気に新しい年を迎えられて良かった。』


改まって報告した私に、彼は、穏やかな笑顔を向けてくれた。


お正月には、今年も、あの子たちが来てくれて、
とても賑やかな時間を過ごした。


三が日が過ぎ、
ほんの少し、寂しさを感じるのは、
今年もまた、楽しく新年が迎えられた証拠だ。


楽しい時間を知っているから、寂しさを感じることが出来る。


それは、とても幸せなことなのだと、
私は、これまでに何度、自分にそう、
言い聞かせて来たのだろう。


もしも、あの時の運命が違っていて、
彼が此処に生きていてくれたら、
今の私は、どんな景色を観ていたのだろう。


一緒に年を重ねて、
おじいちゃんになった彼を想像してみたけれど、
上手く想像出来ないままに、そっと涙を拭った。