あなたへ
昨年の10月の丁度、今頃。
本当なら、見ることの出来なかった筈のあの子の笑顔を、
ひとつ多く集めることが出来た日のことを思い出していました。
ハロウィンのお菓子を枕元に見つけて、
嬉しそうに笑ったあの日のあの子の笑顔は、
思いもしなかった贈り物でした。
社会人2年目となったあの子は、更に大忙し。
目標を定め、日々、前進し続けるあの子はもう、
あんなふうに、帰って来る暇もありません。
先日は、初めて、
あの子にハロウィンのお菓子を送りました。
あの子へ荷物を送る時には、毎度、隙間を見つければ、
あれもこれもと箱に詰め込んで、
気が付けば、複雑な立体パズルのような仕上がりになってしまいますが、
回を重ねる毎に、その複雑さは増していくような気がします。
今回もまた、随分と複雑な立体パズルが完成し、
その仕上がりには、思わず笑ってしまいました。
どんなに忙しくても、ちゃんと食事を摂ってね。
たくさん食べて、力を付けて、
また新しい明日を、元気に歩むことが出来ますように。
こんな願いを込めて、箱いっぱいに詰め込んだ立体パズルは、
いわば母から子へ贈る芸術作品とも呼べるのでしょう。
今日も元気に過ごすことが出来ますように。
こんな願いを込めて、毎日作り続けたお弁当と、
元気に歩むことが出来ますようにと願い込めて、
巣立った我が子へ送る荷物は、
こうして考えてみれば、同じなのかも知れませんね。
大切な我が子へのお守りです。
今年は、ハロウィンのお菓子を手に取った、
あの子の笑顔を見ることは出来ませんでしたが、
きっと、私の大好きなあの笑顔で、笑ってくれたのでしょう。
あの子は今日も、あの子らしく、
元気に歩むことが出来たでしょうか。
ねぇ、あなたの場所からは、
今日は、どんなあの子が見えましたか。