拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

ゴールデンウィーク -2022-

あなたへ

 

今年のあの子は、オンライン授業を挟みながら、

とても長いゴールデンウィークを過ごしました。

 

この連休中の我が家に見えたのは、

勉強と筋トレに打ち込んでいたあの子の姿。

 

時には、

真剣な眼差しで勉強をしていたかと思えば、

次の瞬間には、激しいトレーニングに励んでいたりと、

なんだか笑ってしまうシーンもありましたが、

あの子に言わせれば、筋トレをすると、頭がスッキリとし、

勉強への集中力が増すのだとか。

突然に切り替わるあの子の行動が可笑しくて、

これまでとはまた違った印象の残る連休を過ごせたように思います。

 

この連休中にも、連日に渡り聞こえてきたのは、

どう?筋肉ついたでしょ?

触ってみてよって、あの子の声。

少し前よりも、また少し、あの子は逞しい姿になりました。

 

今年はあの子にとって、とても大切な年。

あの子の勉強の邪魔をしないよう、静かな連休となりましたが、

今年の私は、昨年の自分との約束を果たすことが出来ました。

 

こどもの日には、菖蒲湯に入るのだということに気が付いたのは、昨年の私。

菖蒲湯のことをあの子に話して聞かせながら、

来年のこどもの日には、あの子の邪気を祓ってあげようと心に決めていたのでした。

 

あの子は、昨年のことなどすっかりと忘れてしまっていたようでしたが、

今年も改めて、菖蒲湯についての説明を。

今年は無事に、あの子を菖蒲湯に入れてあげることが出来ました。

 

来年のあの子はまた、

菖蒲湯のことなどすっかりと忘れてしまうかも知れないけれど、

いつの日か、ずっと先の未来、

初めて菖蒲湯に入った日のことを思い出してくれたら良いですね。

 

あの子の長いゴールデンウィーク期間が終わり、

今日からまた日常生活に戻りました。

 

今朝、あの子のお弁当を準備しながら思い出していたのは、

昨年、一昨年のゴールデンウィークのこと。

 

様々なことを我慢して、不安そうな顔をしていたのは、一昨年のあの子。

好きなことをして、家の中での時間を楽しんだのは、昨年のあの子。

 

今年の連休も、家の中で過ごすことが殆どでしたが、

夢へと向かって、一歩ずつ着実に前進するあの子は、

思えば、身も心も逞しく成長しました。

 

これからのあの子の成長も、とても楽しみですね。

 

あの子がこのまま真っ直ぐに、

夢に向かって歩むことが出来ますように。

あなたも一緒に見守っていてくださいね。

 

 

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道標

あなたへ

 

あなたの夢を見ました。

 

夢の中の私は、何も見えない暗闇の中を、

上手に障害物を避けながら歩いていました。

 

上手に歩くことが出来ているにも関わらず、

ふと、不安な気持ちになってしまったのは、

僅かな光さえも見えない真っ暗闇の中にいたからだったのかも知れません。

 

現実世界で過ごす時間と同じように、

夢の中の私が無意識に呼んだのは、あなたの名前。

すぐ側にあなたがいる確信はなかったけれど、

暗闇の中、不安な気持ちであなたの名前を呼ぶと、返事が聞こえてきたのです。

此処にいるよって。

 

あなたの声が聞こえると、辺りが明るくなって、

道標のように私の少し前を歩くあなたの姿が見えました。

 

すぐ側にいてくれたあなたのその姿に安堵して、

夢の中の私は、更に歩みを進めることが出来たのでした。

 

夢の中の私が、何故、何も見えないままに、

障害物を避けながら歩くことが出来ていたのか、とても不思議ですが、

あの夢はきっと、今の私の本当の姿であるのかも知れないと、

ふと、そんな気がしました。

 

あなたはきっと、この世界で生きる私が、

大きな怪我をしないように、

上手に歩めるようにって、

その姿を見せないままに、

きっといつでも私の少し先を歩いて、守ってくれているんだなって。

 

あの夢の中、もしも私があなたの名前を呼ばなければ、

あなたはその姿を見せないまま、

ただ静かに、寄り添ってくれていただけだったのでしょう。

 

それでもきっと、暗闇の中、どんなに歩みを進めても、

私はあなたに守られながら、

先へ先へと上手に進んでいくことが出来たのだと思います。

 

夢から覚めた私には、もう、あなたの声は聞こえないけれど、

あなたの名前を呼ぶだけで、なんだかとても安心するのは、

その声が聞こえないままに、

あなたは、いつでも返事をしてくれているからなのかも知れません。

此処にいるよって。

 

目には見えない今のあなたの存在は、私たちの側から見ると、

時に脆く、儚さを纏った存在であるようにも感じてしまうけれど、

やっぱりあなたは、その存在までもが消えてなくなってしまったわけではなくて、

きっと、あの頃のまま、何も変わってなど、いないんだね。

 

私が不安な気持ちになると、あなたはその不思議な力を使って、

ちゃんとその想いを伝えてくれるから、私は此処まで歩んで来ることが出来たよ。

 

いつでも側にいてくれるあなた。

いつもありがとう。

 

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最も逞しい姿

あなたへ

 

どう?筋肉ついたでしょ?

触ってみてよ

 

これは、ここ最近の我が家で、毎日聞こえるあの子の声です。

 

何故だか突然に、あの子が本格的な筋トレへと目覚めたのは、1ヶ月と少し前のこと。

 

これまでのあの子も、鍛えてはいましたが、

今回は、これまでにないほどに本格的です。

細身だった姿から一変し、今のあの子は、

今まで生きてきた中で、最も逞しい姿になりました。

 

何があの子をそうさせたのか、きっかけは定かではありませんが、

それは、卒業式を終えて、

入学式を迎えるまでのオンライン授業期間中に始まりました。

 

長く家の中にいる生活というのは、時に、

新しい物事への目覚めに繋がることもあるのかも知れません。

 

入学式を迎え、学校への登校は始まりましたが、

日々のトレーニングを欠かすことはなく、

その姿は順調に整えられてきました。

 

鏡を見つめながら、そして、私にその姿を見せながら、

あの子が考えているのは、あなたのこと。

 

もしも今、あなたの隣に並ぶことが出来たら、

もしも今、あなたと腕相撲をすることが出来たらと。

 

今のあの子ならね、きっと、

あの頃のあなたと良い勝負が出来るのかも知れません。

 

そう。

特に肩あたりの筋肉は、あの夏のあなたと同じくらい。

腹筋に関しては、あの頃のあなたを追い抜く日も近いのかも知れません。

 

もしも今、此処にあなたがいてくれたのなら、

どんな時間が流れていたのでしょうか。

 

あなたとあの子の腕相撲は、きっと真剣勝負。

あなたはもう、あの頃みたいに手を抜いてはいられないはずよ。

 

2人の腕相撲は、どちらが勝つのだろう。

 

もしも、あなたが負けてしまったらね、

きっとあなたは、

若者には敵わないよ なんて笑いながらも、

あの子が見ていないところで、しっかりとトレーニングをするのよ。

 

いつまでも、あの子の格好いいお父さんであり続けようとするあなたの姿はきっと、

あの夏よりも更に磨きが掛かって、

今のあの子の瞳には、どんなふうに映るのでしょうか。

 

時々には、あの子と2人並んで、

仲良くトレーニングをしていたのかも知れませんね。

 

男同士、筋肉自慢をし合う姿を見つめる私は、

どんな気持ちがしたのだろう。

 

あなたと一緒に、あの子の成長を見守ることが出来ていたのなら、

今、此処にはどんな時間が流れているのだろう。

 

あの夏から、

8つの年を重ねたあなたの姿を上手く思い浮かべることが出来ないままに、

それでも、何度でも思い描いてしまうよ。

 

もしも今、此処にあなたがいてくれたら、

あなたは、どんな顔で笑っていたのだろうって。

 

 

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