あなたへ
あなたを見送ってから、
初めての私の誕生日の日のことでした。
あの子は、小さなポーチを私に手渡しながら、言いました。
誕生日おめでとう。これは、お父さんと僕からのプレゼントだよ と。
小さな可愛いポーチの中には、ノートが入っていました。
プレゼントを受け取ると、
あの子は話してくれました。
あなたがまだ、元気だった頃、物語を作るのがブームだったあの子。
お母さんに、何か書いて、誕生日に渡したら、きっと喜ぶよ って、
あなたと2人で、ノートと、ノートが入る大きさのポーチを
買いに行ったんだよ と。
ノートには、お誕生日おめでとう と、
あなたとあの子、2人の名前がありました。
あなたがそちら側へ逝ってから、7か月後の、私の誕生日。
思いがけない最後のプレゼントは、
あなたが生きて、私のことを想ってくれていた、温かな、あなたの気持ちでした。
あなたが、あの子に託した最後のプレゼント。
ちゃんと私のところに届きましたよ。
ありがとう。
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