ここは、この辺りでも、比較的大きな公園。
いくつかの公園が集まっていて、道路に出ることなく、公園から公園へと、歩いて移動出来るようになっている。
「あーぁ、サッカーボール、持って来れば良かった。」
広い芝生が広がる園内。
たくさんの親子が、サッカーやキャッチボールなどを楽しんでいる様子を眺めながら、あの子は残念そうにため息を吐いた。
「せっかくだから、これ食べたら散歩でもしようよ。」
私の言葉に、面倒がられるかと思いきや、意外にも、乗り気で返事をしてくれた2人。
そうと決まれば、早く食べちゃおうと、私たちは、急いで食事を終えることにした。
食事を終えると、3人並んで、散歩へと出発した。
この公園では、幼かったあの子と、3人でボール遊びをした。
お正月には、手作りの凧を飛ばした。
キャッチボール、サッカー。
此処には、あの子の成長ごとに、家族3人で遊んだ記憶が残っている。
あの頃の思い出話をしながら、3人でのんびりと園内を歩いた。
暖かな風に乗って、春の匂いがする。
こんな日の散歩は、気持ちがいい。
「そうだ。あの場所に行きたい。菜の花が咲いてる公園。」
そこは、特別に私が好きな場所だ。
此処からだと、少し距離があるけれど、やはり、散歩を楽しみながら行ける場所だ。
「いいよ。行ってみよう。」
彼は、あの子にも、いいよね?なんて聞きながら、あの公園へ付き合ってくれることになった。
途中、自販機で飲み物を買いながら、のんびりと歩き、菜の花の咲く公園へと到着した。