あなたへ
厳しい寒さを通り過ぎて、
こちらでは、すっかり暖かくなりました。
満開に咲いていた桜の花が少しずつ、緑色へと変わる姿に、
季節の始まりを感じます。
日々の生活の中、よく周りを見渡してみれば、
ピンクや赤、黄色、白と、色とりどりの景色へと変わりました。
若い頃から、草花には、あまり興味がなかった私は、
まるで、始めて見たものを見るかのように、周りをよく見渡しながら、
改めて、この世界の美しさを感じました。
寒い時期を越さないと、桜の花が咲かないことを、
あなたは、知っていましたか。
私は、先日、初めてこんな言葉を耳にしながら、
この世界にあるものは、全て、
よく出来ているのだと、思わず感心してしまいました。
ねぇ、あなた。
この世界はね、とても美しい。
そんなことを感じることが出来るようになったのは、
やはり年を重ねた証拠なのでしょうか。
あなたよりも、ひとつ年上になった私は、
此処に初めからあったものの美しさに、ようやく気付くことが出来ました。
これまで見えていなかったものが、
またひとつ、見えるようになった私は、幸せなのかも知れません。
またひとつ、私の手の中に、
幸せのカケラを、拾い集めることが出来ました。