拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2015年の私への約束

あなたへ

 

あなたの分まで、

幸せな人生を歩まなければいけないよ

 

これは、あなたを見送った翌年、

2015年の手帳に書かれていた、私の言葉です。

 

あの年の手帳を開き、あの頃の私が綴った文字を読み返したのは、

今回が初めてのことでした。

 

あの頃の、辛く苦しい記憶に触れるのが怖くて、

これまでずっと、あの頃の私が綴った文字を辿れずにいた私ですが、

何気なく手帳を開き、

あの頃の時間を、ゆっくりと、振り返ることが出来たのは、

何故だったのでしょうか。

 

あの年の私は、

得体の知れない何かに追われながら、必死で生きていました。

 

何が追ってくるのかも、

何処へ逃げたら良いのかも、分からないままに、

必死に何かから逃げていたあの頃の時間は、

手帳を開かなくとも、よく覚えている、とても辛かった記憶。

 

改めて、手帳を読み返してみても、

疲れた と、こんな想いがたくさん綴られた1年間でした。

 

あんなに辛かったのに、

どこが前なのかも分からないままに、毎日、必死だったはずなのに、

私は、ちゃんと、

いつかは、前を見つけて歩んでみたいと、思っていたのかも知れません。

 

あなたの分まで、

幸せな人生を歩まなければいけないよ

 

疲れた の想いの隙間には、

自分に言い聞かせるように、こんな前向きな言葉が綴られていました。

 

今にも壊れてしまいそうだった2015年の私は、

辛い毎日を過ごしながらも、

未来の私を信じていたのだと思いました。

 

此処は、2021年の世界。

 

あれからの私は、時間を掛けて、何処が前であるのかを見定めて、

此処までを歩んで来ました。

 

私が歩みたい道を見つけることが出来たのも、

真っ直ぐに夢に向かって歩むあの子の姿を見守ることが出来るのも、

今、此処にあるのは、

あの頃の私がまだ知らない、素晴らしい景色。

 

あなたを想い、涙を流す日もあれば、

大きな溜息を吐き出して、立ち止まってしまう日もあるけれど、

これまでに、たくさん集めてきた大切な宝物を眺めてみればてみれば、

あなたの分まで、幸せな人生を歩んでいると言えるのだと思いました。

 

これから先も、頑張るからね

 

あの頃の手帳を読み終えた私は、

最後に、2015年の私へ、そっと、約束をしました。

 

私は、未来の私を信じてくれていた、あの頃の私に恥じないように、

素敵な人生を歩まなければなりませんね。