あなたへ
あっ、あなたと同じ名前だ。
これは、ここ最近の私の小さな独り言です。
頻繁にあなたと同じ名前を目にするようになったのは、
いつからだっただろう。
あなたと同じ名前に何度も反応しながらも、
然程気にすることのなかった私ですが、
やがてその頻度が上がり始めて、
偶然にしては何故こんなにと、首を傾げてしまうほどに、
1日のうちに何度も、あなたの名前を目にするようになりました。
あまりにもであることから、これを漸く、
必然なのかも知れないと捉えることにしてみましたが、
もしも、こんな私をすぐ側で見守っていたのなら、今頃のあなたは、
やっと気付いたよ
なんて、苦笑いでもしているのでしょう。
こんなに何度も、あなたと同じ名前ばかりを目にすることは、
思えば、初めてのことですが、
いつものように、素敵な空を見せてくれるよりも、
その名前を何度も見つける方が、
より強い想いが込められているとも言えるのかも知れません。
例えば、どうしても伝えたい強い想いがある場合には、
こちらが気付くまで、何度でも同じものを見せ続けるのが、
そちら側からのやり方であると、こんな捉え方をすることも出来るのでしょう。
だって、もしもあなたが、
大きな声で私の名前を呼んでくれたとしても、
私にはもう、その声は聞こえないもの。
私が気付くまで、
何度も名前を見せ続けてくれたあなたは、
どんな想いを伝えようとしてくれたのでしょうか。
ここにいるよ。
深く考えなくとも、すぐにその言葉が浮かんだのは、
私の中に、ふと、
あの、パソコンを買いに行った日の出来事が浮かんだからでした。
そっか。
ここ最近のあなたはきっと、
あの時と同じ想いを、私に伝えようとしていてくれたんだね。
漸く、その想いに気付くことが出来たから、
今日の私は此処に、
あなたへのお返事を届けたいと思います。
側にいてくれてありがとう。
いつでも愛しているよ。