拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あの夏から抱えてきた願いごとの重さ

あなたへ

 

あれからの私は、あの日に置いた願いごとを見つめながら、

もう、何度くらい、ため息を吐き出しただろう。

 

あなたは、幸せだったんだね

良かった

本当に良かった

 

小さく呟きながら、私が吐き出すため息は、

ただただ安堵に満ちたため息なのです。

 

そして、手放した願いごとの代わりに、

あなたがくれた想いをこの両手に感じてみれば、

あの夏からの私が、どれだけ重いものを抱え続けていたのかを、

初めて知ることが出来たのでした。

 

その気持ちを抱えたまま歩んでいる間というのは、

自分にとって、どれだけの負荷が掛かっているものであるのかを、

感じることは出来ないものなのかも知れません。

 

抱えてきた想いを初めて置いた時、

それがどれだけの重さであったのかを、

漸く知ることが出来るものなのでしょう。

 

そうしてそれまでの歩みを振り返ってみれば、

大切に想いを両手に抱えたまま歩んで来たからこそ、

そこから様々に学び、

どれだけ自分が成長出来たのかを感じることが出来るのです。

 

決して早足で歩むことはできなかったけれど、

負荷が掛かった一歩一歩であったからこそ、

私は、たくさんの学びを得ることが出来たのだと思います。

 

あなたはきっと、その日が来るまで、

私が学び、成長する姿を、

そこから静かに見守ってくれていたんだね。

 

こちらでは、9月を迎えました。

夕方に、少しだけ散歩に出てみると、

夏の音に混ざり合うかのように秋の音が聞こえてきました。

 

まだまだ暑い日が続きますが、

今年の夏も終わりを迎え、また次の季節へと移り変わる時期が来たのでしょう。

 

今日の私は、この夏に置いた願いごとを、改めて見つめながら、

たくさんのありがとうを伝えました。

 

あの夏から、約9年間を掛けて、

本当に様々なことを学ばせて貰いました。

 

そして、抱え続けて来た願いごとの置き場所を見つけたからこそ、

この世界の時間を戻せない理由も見つけることが出来ました。

 

それは、あの夏から抱え続けて来た願いごとが最後に、

私に教えてくれたことだったのでしょう。

 

こうして改めて思い返せば、とても不思議ですが、

あなたと出会い、

そして、

あなたのその手を離した季節に、

私が抱え続けてきた願いごとの置き場所を見つけ、

代わりに、あなたがくれた想いを、この手に抱くことが出来ました。

 

上手くは言えないけれど、 

これは、あなたからの粋な計らいであったようにも感じています。

 

あなたを見送ってから9番目のこの夏は、

きっと、何年経っても忘れられない特別な夏として、

私の記憶の中に残り続けるのでしょう。

 

あなたの想いを受け取った時に、

視界が滲みそうになって、慌てて上を向いて、瞬きをして。

絶対に泣かないから!って、思わず声に出して、目をギュッと閉じて、

涙を堪えた私が目を開いた瞬間に見せてくれたあなたのあの笑顔も、

絶対に忘れないよ。

 

 

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