あなたへ
ねぇ、あなたは気付いていましたか。
今年の夏で、私たちが出会ってから、25年を迎えました。
25年前の今頃の私は、
あなたと出会ってから20日を迎えた私でした。
この20日間の間に、私は、何人の友人に報告をしただろう。
実はね、好きな人が出来ちゃったって。
恋の話って、いつだって楽しいものです。
溢れ出る笑みを隠せないままの私に、
次々と飛んでくるのは、あなたに関する質問。
どんな人?
どこで出会ったの?
幾つの人?
写真見せて?
えぇ?写真持ってないの?
一緒に撮りなよ
今度見せてね
あなたに関する質問に答えながら、
まだ真新しい記憶を振り返って、そこにあるあなたの笑顔や声を思い出して、
密かにあなたへの想いを募らせた時間も、素敵な時間でした。
出会いは突然にやって来て、
あなたと出会ってからの私に見える景色は、
一気に鮮やかな景色へと変わって。
そうして少しずつ、
あなたと出会う前の私の瞳に映っていた景色の色が、
どんな色であったのかを思い出せなくなって。
好きな人と出会うって、本当に不思議で素敵。
今日の私は、
あなたと出会ったばかりだったあの気持ちを思い出していました。
もしも、今、あなたが直ぐ側にいてくれたのなら、
きっと今頃の私は、あなたに甘えてみたくなっていたのでしょう。
あの頃のように。
あなたは、25年前の夏の日を覚えていますか。
あの日、一緒に見た景色を覚えていますか。
私たちが出会ってから25年。
あの夏から、ずっとこうして、
あなたのことを好きでいさせてくれてありがとう。
この命がある限り、私がこの世界で、
私たちの記念日を更新し続けて行くからね。