拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あの子が見せてくれる景色

あなたへ

 

相変わらずに楽しそうなあの子の声を聞けたのは、先日のことでした。

たったの数週間、話をしないだけで、

そこに見つけるのは、あの子の著しい成長です。

 

私はもう、あの子の直ぐ側で、

毎日少しずつ成長する姿を見守ることは出来ませんが、

会えた時や電話で話す時、

前回からそれまでのあの子の成長が凝縮された形で私のところに届くのが、

今の新しい形となりました。

 

最近の出来事や、あの子が見つけた新しい視点。

学びたいことや学んだこと。

 

次々に飛び出すあの子の話に耳を傾けながら、

県外へと移り住んだからこそ、吸収できる物事の量が多いのかも知れないと、

先日の私は、こんなふうにも感じていました。

 

学生であった頃と、社会人になってからでは、

見えるものが大きく変わってきますが、

それが全くの新しい地であれば尚更だと、

こんな解釈をすることも出来るのかも知れません。

 

幼い頃から、この地で暮らし続ける私は、

随分と狭い世界の中で成長して来たに過ぎないのだと、

そんなふうにも感じさせられますが、

巣立ったあの子の声に耳を傾ける時間は、今の私にとって、

この地で暮らし続けて来た私ひとりでは絶対に見つけることの出来なかった、

全くの新しい視点を分けて貰う時間にも繋がっているようにも感じています。

 

私はもう、幾つくらい、

あの子が見つけた新しい視点を分けて貰っただろう。

 

県外で暮らすあの子の話に刺激を受けて、

物事へ対する価値観がガラリと変わったり、

今後の私が学びたいことを見つけたり。

 

今の私に見える景色は、

県外へと巣立ったからこそのあの子が見せてくれる景色であるのかも知れません。

それら全て、

あの子の背中を押し続けた私への贈り物でもあるようにも感じています。

 

あの子が此処から巣立ち、7ヶ月が経ちました。

時々には寂しさを感じることもあるけれど、

この7ヶ月余りの間に、あの子の楽しそうな声に耳を傾けながら、

あの子の背中を押し続けて良かったなって、

幾つくらいのこんな気持ちを見つけてきただろう。

 

寂しさと向き合いながらも、

全力であの子の背中を押し続けた先に、

こんな景色を見つけることが出来るだなんてね。

 

未来というのは、本当にいつでも、

想像を遥かに超えた素敵な形でやって来るものですね。

 

 

 

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